1.本日の控訴審でのやりとり-検察官、裁判長に叱責される 弁護人 弁護側証拠第9号証 「横浜地裁2004年8月4日判決」(巻末添付)を証人に示します。この判決では、「勤務医が、自分の勤めている病時の医療過誤により死亡した元患者の遺族に協力したため解雇された等と発言したため、病院がこの勤務医を名誉毀損で訴えた事案。判決では、この勤務医が無断で他の病院でアルバイトをしたり、ベンツの供与を受けていることが発覚したために退職を求められ、本人もこれを了承して退職したと認定し、勤務医の発言は真実ではなく、真実と信じるについて相当の理由もないとして名誉毀損の成立を認めた。」とありますが、この、被告は証人ですか? という尋問をしようとして、証拠を検察側証人に提示したところ。 検察官 異議があります。弁護人は何を立証したいのですか。意図がないので尋問はさせない旨の発言。 裁判長 よいですよ。尋問を認めます。弁護人の尋問を認めます。検察官 何を立証しようとしているのか。弁護人 この判決と証人の同一性です。検察官 同一性というのは、この判決を書いたのは証人かどうか・・・。裁判長 (相当な勢いで、検察官をにらみつけて、)いいですよ。弁護人続けてください。検察官 ですから、同一性・・・弁護人 今、検察官は、裁判長から異議の申し立てを却下されたはずですが、・・検察官 却下とはいわれていない・・・(とうとう冷静な裁判長も爆発。叱責するように)裁判長 何いっているのですか。とにかく、検察官のいうことは認めません。弁護人続けて。弁護人 はい。・・・ といった流れ。痛快。さすがに検察官は、校長先生に睨まれて、廊下に立たされて「しゅん」となった男子小学生のようでした。検察官は、弁護人がこれから、尋問や主張をしようとするときに、先走って尋問内容を勝手に予想して、異議申し立てをすることがあります。もちろん弁護人の尋問というのは、事前に十分練ってからされているものがほとんどですから、落ちはない。当然、ジャッジする立ち場の裁判長は、弁護人の質問を認めます。これは、私の以前のブログ「速報 大野病院初公判傍聴記」http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2007/01/post_ace1.html 「14.国民的注目を無視」にも同じような場面があります。 2.被告はいつも「甲野太郎」-判例時報の読み方 私は、「判例時報」「判例タイムス」「ジュリスト」他相当数の刑事判決、民事判決を読んできましたば、最初は、「あれ、また被告が甲野太郎が被告だ」と疑問に思っていました。今日の証人も知らなかったようです。 弁護人 「勤務医が、自分の勤めている病時の医療過誤により死亡した元患者の遺族に協力したため解雇された等と発言したため、病院がこの勤務医を名誉毀損で訴えた事案。判決では、この勤務医が無断で他の病院でアルバイトをしたり、ベンツの供与を受けていることが発覚したために退職を求められ、本人もこれを了承して退職したと認定し、勤務医の発言は真実ではなく、真実と信じるについて相当の理由もないとして名誉毀損の成立を認めた。」とありますが、この、被告は証人ですか?証人 えーと、これは、「判例時報」という雑誌のようですが、被告には、「甲野太郎」とありますが、裁判長 被告の本名を避けるために「甲野太郎」と仮になっているのですよ。弁護人 要するにここにある「横浜地裁2004年8月4日判決」を受けた被告は証人あなたですか。証人 (弁護人の尋問には明確な回答せず)仮にこの被告が私だったとすると、弁護人は、このような判決を受ける人間は、この刑事事件の証人として出廷する資格がないといったことを言いたいのかもしれませんが、それでは、なぜ裁判が始まる前に、証人には資格ないとか言ってくれなかったのですか云々(いか本当に涙を浮かべて土下座するような勢いで泣き言をいっているが、意味不明)弁護側は、証人が客観的に証人にふさわしくないことは、十分主張していた。何しろ証人は、・ 本件手術で使用された、陰圧吸引法(人工心肺の脱血法)は、一回も経験したこともなければ、見たことすらない。・ 本件1995年頃から開発されて論文で発表されたものなのに、法廷に来る前に論文も読んだことがなければ、この方法を知ったのは、21世紀に入ったころで、それもこの方法を使用している医師から話しを聞いただけ。・ 日本心臓血管外科学会や日本人工臓器学会には所属していない。・ 一審で重要な証拠となった「3学会報告書」は日本心臓血管外科学会と日本人工臓器学会と日本胸部外科学会によって作成されたものであるが、証人は、日本人工臓器学会は関与しておらず、日本血管外科学会が参加していると思っていた。・ 証人は、本件で行われた、小児の第2肋間までの胸骨部分切開の手術経験はない。・ 証人が、一審の公判調書(被告公判、相被告人公判、術野医師公判、麻酔医師公判、看護師公判、臨床工学士公判、人工心肺記録者公判等)は、通しで読まずに検察から提示された部分のみしか読んでいない。等、山のようにあった。検察が、学会の重要人物を検察庁に呼んで話を聞いたことは知られている。もちろん、まっとうな心臓外科医だったら、私に過失にあったという人はいないので、証人として出廷させなかたのであろう。 今日の証人が決定したときに、私はまた公判が長引いて迅速に裁判を受けられないことに腹を立てていたが、心臓外科の後輩はこういっていた。「またあの人が出てくるんですか。よかったじゃないですか佐藤先生。あんないい加減なやつのいっていることを裁判官が信ずるはずないですよ。」いわれればそうだが、一審でも出廷した証人がまた出てきて、裁判が長引くことには変わりがない。 3.同一証人の一審公判-すでに種まき 今日の証人は一審でも公判で証言した。弁護人は、この時点で「弁護側証拠第9号」を入手していたが、一審では提出しなかった。一審公判は50回あり、科学的医学的論証に、このような証拠は全く必要なかったのが大きな理由。だが、品を失いたくなかったというのもある。ただし、「種まき」はしてあった。法曹界の人のほとんどが読んでいる「判例時報」には、「本判決は、特に目新しい判断を示したものではないが、問題の医師は、人気漫画「ブラックジャックによろしく」に登場する心臓外科医のモデルで、「ブラック・ジャック解体新書」などの著書がある医師であるとして知られ、社会の関心を集めたケースであるので、事例的意義があるものとして紹介する。」とあったので、以下の尋問で十分だった。 弁護人 漫画というのかコミックというのかな,「ブラックジャックによろしく」というコミックがありますが,そのモデルに目されているのが先生だと,こういう理解でよろしいでしょうか。 証人 その中に出てくる,「ブラックジャックによろしく」というコミックの中に出てくる,ある心臓外科医が,まあ,私の現在の状況をヒントに描かれたものであるというふうに僕自身も認識しております。 法曹界ではこの心臓外科医は、無断で他の病院でアルバイトをしたり、ベンツの供与を受けていることが発覚したために退職を求められ、本人もこれを了承して退職したと認定し、勤務医の発言は真実ではなく、真実と信じるについて相当の理由もないとして名誉毀損で敗訴した医者という認識である。 4.傍聴席から ある重要な医療事故裁判の弁護団の一員で、私の医療事故裁判をよく研究さえている弁護士さんが、公判終了後に質問されました。傍聴者 「今日の証人がいっていた、『空気が上大静脈側から頭に逆流して詰まった』という話は、判決は公判でありましたっけ。争点じゃないですよね。」私 「そんなこと今まで主張した人誰もいませんよ。もちろん検察官もいっていないし、誰一人もいっていません。今日の証人が控訴審になってから勝手にいっている話で、一審ではこの証人すら話してません。」傍聴者 「本当に変な人ですね。・・・」 控訴審はこのようにして続いています。 (なお、以上の法廷でのやりとりは、メモや記憶に基づくもので、文言は一字一句正確ではありませが、主旨は誤りありません)
弁護側証拠 第9号については、
本家「紫色の顔の友達を助けたい」
検察官の異議申し立ては、棄却! 第5回控訴審速報 自ら報告
http://kazu-dai.cocolog-nifty.com/blog/2008/01/5_de20.html