とある日のカンファレンス、「お前はこの患者が死んでもいいと思っているのか!」 いきなり怒鳴られた。後輩の研修医や病院実習の学生、同僚や指導医はじめその教室の医師たちすべての前で。思わず目頭が熱くなる。怒鳴った先生の質問に返答できない。まだ配慮が、勉強が足りないのか?悔しく、また情けない。カンファレンス終了後、他の仕事も山積みなのに図書館へ走った研修医3年目のちょうど梅雨まっ盛りの今頃。
「長い医師生活の中で4年位臨床を離れて実験に没頭するのは大切なことだよ。よかよか。一生懸命やれ!」 大学院2年目の昼休み、学生食堂でたまたまいっしょに並んだ時に、みんなが臨床医として進歩している今、臨床を離れて研究している不安を述べた時に、そんな安心の言葉をかけてくれた。あれもちょうど今頃、梅雨まっ盛りだったなぁ。
「いやぁ。久しぶり。知った顔の先生がいるとホッとするねぇ。」 満面の笑みでその先生は、昨日、県医師会の仕事として、ある会議にひさしぶりに佐賀大学医学部を訪れた際、迎えてくれた。もうあれから17、8年経つのに全然変わっていない。そう言うと「いろいろとごまかしてるんだよ。」と言って笑われた。『僕は先生から多くのことを学びました。』 そう気づいた。その先生の仕切りでにこやかに会議は終わり、土砂降りの中だったけれど、心晴れやかに久しぶりの大学を後にした。
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