昨日は日医にて医療政策シンポジウムが開催されました。今回もとても充実した内容で東京日帰りしてもいいほど価値のあるものでした。
昨日は宇沢弘文氏(日本学士院会員、東京大学名誉教授)、武見敬三氏(東海大学教授、日本国際交流センター・シニア・フェロー、長崎大学客員教授)、佐藤優氏(元外交官、文筆家)の3名による講演およびシンポジウムでした。
今日はまず、宇沢弘文氏の「社会的共通資本としての医療」という考え方を要点だけご紹介します。
社会的共通資本は、一つの国ないし特定の地域が、ゆたかな経済生活を営み、すぐれた文化を展開し、人間的魅力のある社会を持続的、安定的に維持することを可能にするような自然環境や社会的装置である。社会的共通資本の管理、運営は決して市場的基準、あるいは官僚的基準によって決められるべきものではなく、あくまでも、すべての市民の人間的尊厳を守り、魂の自立を保ち、市民的自由が最大限に確保できる、ゆたかな社会を形成するという視点に立って行われる。
社会的資本としての医療というとき、二つの要件がみたされなければならない。第一は、社会を構成するすべての人々が、老若、男女を問わず、また、それぞれの置かれている経済的、社会的条件にかかわらず、そのとき社会が提供できる最高の医療を受けることができるような制度的、社会的、財政的条件が用意されている。第二は、ヒポクラテスの誓いを誓って医の道を志した医師が、医師として、また一人の人間として、その生きざまを全うすることができるような制度的、社会的、経済的環境が整っている。
※ヒポクラテスの誓いを現代的な言葉にあらわしたのが、1948年、世界医師会によってつくられた医師の倫理を規定したジュネーブ宣言です。それは以下のようになっています。
「医師として、生涯をかけて、人類の奉仕のためにささげる、師に対して尊厳と感謝の気持ちをもちつづける、良心と尊厳をもって医療に従事する、患者の健康を最優先のこととする、患者の秘密を厳守する、同僚の医師を兄弟とみなす、そして力の及ぶかぎり、医師という職業の名誉と高潔な伝統を守りつづけることを誓う。」
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