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昨日は武雄地区(正確には武雄杵島地区医師会1班)の定例班会でした。4月から武雄市民病院が救急をしなくなることに対して地元の医療機関(武雄の場合ほとんどが診療所です)がどのような患者対応をするかについて意見が出ていました。

まとめますと、『私たちは1次診療であれば今までも診れれば時間外でも診てきた。このスタンスはこれからも変わらない。しかし武雄市民病院が救急をしなくなるから救急も診るということはできない。救急と1次診療を混同されては困る。』

その後、今回の武雄市民病院に対する武雄市の医療行政に対する不満と戸惑いの意見が多く出されていました。

ここで地元医師会が武雄市に協力して行っていることを自分が思いつく範囲で書いてみます。みなさん、あまりご存知ないこともあるでしょう。

競輪医務室詰め(武雄競輪開催中、必ず医師が医務室にいないと開催できません。平日休日関係なしに競輪はあるため、医師の派遣はかなり無理して地元医師会で調整して行っています。)

予防接種や乳幼児健診などの保健衛生業務

住民健診。今年4月からは特定健診。

行政からの医療保健分野での宛て職。

休日急患センター(各医療機関が自分の場所で持ち回りで行うところが普通ですが、患者の利便性を考えて武雄杵島地区医師会に場所を固定し、地元開業医が午前9時から午後5時まで昼休みもなしに診療します。僕は数年前の1月2日、120人の患者の診療をして自分がダウンしたことがあります。すべて新患の急性期疾患を120人も診たのは医師になってあの時だけです。昼食のために10分もらった以外は働きづくめで、しかも午後5時には終わらず6時まで働きました。もちろん延長手当てなどありません(笑)。このようなことがあって、翌年からはお正月は小児科と内科2人で内科小児科を診るようにしました。ほとんどの患者が小児なのですが、小児科の先生だけではローテーションがきつすぎるので普段小児を診ていない内科医もここでは小児を診ています。そしてさらに地元からの要請で土曜、日、祝日の午後7時から午後9時も、これは武雄杵島地区の小児科の勤務医と地元開業内科医とでローテーションを組んで当番をまわして診療しています。)←このようにハードな当番を終えたときに限って、帰宅すると今度は自分の医院の患者から診察依頼や往診依頼があったりします。

そもそもかかりつけ医に24時間365日、時間外診療や在宅医療を求めるのは無理があります。一般のかたや行政の方々は自分のこととして考えていただいたらわかることと思います。勤務医もそうです。当直明けでも通常勤務が普通です。当直と宿直は違います。それでも現場の医師は文句を言わず、今までやってきました。それがなぜ今、現場が崩壊しているのでしょうか。

報酬の減少、患者からの感謝の気持ちの減少ならまだいいのですが、クレイマー、モンスター・ペイシャント、訴訟社会はたまた逮捕されて罪人扱いまでされる社会になってくれば、それは医師も意欲低下、萎縮医療になってしまうのはあたりまえですね。

そして医師がやる気をなくす最大の原因は今回武雄市民病院がそうでしたが現場に対する行政の理解不足です。一般の方ならまだしも最後の砦の行政までもが・・・。今まで我慢して気を張って頑張ってきていた現場の医師の気持ちがぷつんと切れました。それを見ていた大学も武雄市に対して信頼をなくしてしまいました。

地元医師会も・・・となりそうなところでしたが、まだ地元医師会は住民に迷惑はかけられない、という一線で武雄市と協力はしていかんといかんぞ、ということに昨日のところはなりました。

あとは武雄市がどのように誠意を持って地元医師会と接していただけるかだなぁと昨日の班会を終えて思いました。

 

 

 

 

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コメント一覧

もう書き込まないつもりだったけど痛烈に感じた事を一言だけ書きますね。
「問題が発生し解決しようとする」時、「これは慣例だから変えない」「これは付き合い上変えない」と変えられない事を最初に決めて、変えられそうな事を調整して解決をしようとすると・・・・本質的解決ができないばかりか弱い所にツケが回ると思っている。
20年前日本がこれをやって1000兆円の借金を背負った(詳細は書きません)
市民病院問題は私から見て、存続の是非ではなく、「市は責任持って医療行政を主導実行でよ」が問題点だと思っている。
「市と対立したくない」とか「医師会が悪者になりたくない」といった方針を最初に決めてしまえば・・・・(もう書かんでいいでしょう)。
対立するしない、悪者になるならない・・は問題解決にとってどうでもいい事なんです。
選択肢を無用に狭めない方がよろしい。
written by あまのじゃく / 2008.03.26 09:23
あまのじゃく先生。おはようございます。難しいところですね。あまのじゃく先生のスタンスも理解はできますし、僕もそのように思いたい部分はあります。市が責任を持って医療行政を行えば良い、と。でも現在の進め方は市民にとって良くない方向に行っていると僕は思います。そのようなときには地元医師会としてちゃんと行政と話をしてより良い方向に持っていかなくてはと思うのです。最終責任は市が持つのですから最終的には市が判断されれば良い。でも現状、なにもせずこのまま市の判断に委ねるでは割り切れません。かといって全面対決だと通常、話さへ聞いてもらえないことが多い。小さなことであれば僕はそれでも全面対決して非難するだけでもいいと思いますが、市民病院問題は一度なくなってしまえば取り返しがつかない。なので協力姿勢を示しながらなんとかうまくやっていきたいと思っているのですけどねぇ。
written by かいぼー / 2008.03.26 09:38
例えば「市が医療行政に責任を持つ」と「市民病院を存続させる」をイコールにすると、
1:市が通信設備を搭載した患者搬送車を3台購入して対応する。
2:ベッド5床の「何時でも1・2次急患武雄市民医院」を創設する。
これらの多くの解決策の可能性が封印されてしまいます。選択肢を限定すると勿体ないと思いますよ。
良い解決策を導き出すのが目的ですから。
written by あまのじゃく / 2008.03.26 13:44
あまのじゃく先生。そういうことですか。。。

「市が医療行政に責任を持つ」と「市民病院を存続させる」

絶対イコールというわけではないですね。ではイコールでなくて、この地域の救急医療に対して住民が不安を感じないようにするためにはどうしたらいいか。広域での2次医療を賄えるセンター的医療機関を持つための支援を武雄市がするとか、もっと究極で言えば市民が2次救急のお世話にならなくていいように指導するとか、いろいろ考えられはしますね。

でも、とりあえず、この状況をどうしましょう。ひとまずぶっ壊しますか。それも本質的解決のためには仕方がないことでしょうか。そしてその間の市民の不安はどうしましょう。

うーん。難しいなぁ。
written by かいぼー / 2008.03.26 14:16
先生は医療行政の目的を「不安を解消する」「実害を解決する」・・どちらに主眼を置いていますか?
前者なら議論は錯綜するでしょうが、後者なら既に先生は解を持っているではないですか。
written by あまのじゃく / 2008.03.26 15:43
あまのじゃく先生。すみません。もしかしたら期待を裏切ったかもしれません。。。不安を解消したいです(汗)。
あのぉ、実害って何ですか?あぁ、僕は解を持っていないのです・・・。
written by かいぼー / 2008.03.26 15:56
・・・・ん?ふぎゃ~。ポーツマス・ポーツマス。
イヤイヤ、先生は余りにも多くの情報に触れ、余りにも多くの人の話を聞き、その苦悩に戸惑い、悩み、若干混乱しているだけです。ポーツマス・ポーツマス。

実害とは「夜間喘息発作を起こし、電話したが診てくれる医療機関が見つからず、お亡くなりになった」という事です。

不安と欲は難儀な代物で、解決すればする程、大きくなる怪物です。まともに相手してはなりません。だから先人は「足るを知る」と教えているんです。
written by あまのじゃく / 2008.03.26 16:41
あまのじゃく先生。了解です^^ 「足るを知る」 大事なことです。そして先生の言葉を読んで納得しました。そう。僕は実害を解決したいのです。「足るを知る」レベルでね。
いやぁ、やっぱり先生と話をすると見えてきますよ、自分が(笑)。僕はひとと話をして、ひとの言葉をもらって、自分の考えがまとまっていくタイプなんです(笑)。自分ではまとめきれなくて、ひとと話しているうちに「そうそう。それそれ。」って思うんですよ(笑)。お調子者なんです(爆)。
written by かいぼー / 2008.03.26 17:46
 落胆しています。

>>地元医師会は住民に迷惑はかけられない、という一線で武雄市と協力はしていかんといかんぞ

 多分、医師会がこんなスタンスだと市側の姿勢は改まる事はなく、徒に問題を先送りするだけでしょう。

 何時かも書きましたが、まさにデブリードマン出来ないで対症療法で誤魔化しているに過ぎないのではと思います。

 競輪医務室詰めも乳幼児健診などの保健衛生業務も住民検診も、行政からの医療保健分野での宛て職も休日急患センターさえも、医師会で統制を取って一度全て辞めてしまえば良いのです。

 市民病院が崩壊し、医師会が協力しない状態を作ってしまい、市側が自力で医師の「確保」(本来は招聘と書くべきですが、市の意識では「確保」でしょう)をやらねば成らない状況を作れば、これまでどれだけ低い報酬で医師が公共の福祉のために奉仕してきたか判るでしょう。

 市場価格に従えば市の出費が増すのは明らかですから。
 
 先生方が、市に対して対決を辞さずとの姿勢を見せることがないままに市に協力してやるから、木っ端役人に舐められ、状況が改善しないのですよ。

 今日の状況の悪化の一因は、一丸となって対決姿勢を打ち出す事の出来ない医師会にも有るのではないかと此の頃私には思えてきました。

 市民の健康が脅かされ、その事を市民自らが認識すれば住民運動なり直接請求なりで、市民が市に改善を要求するでしょう。

 市民が本当に医療を必要としているのか否か、突きつけるのは今では無いのですか?
written by 退役内科医 / 2008.03.26 18:51
かいぼー先生、そして現役内科医さんの胸中お察し致します。私も個人的に明らかにこの件に関しこれまでの行政の対応の不味さには理解し知れば知るほど落胆している者です。
本当にこのブログを見ていると納得出来ますし、市民病院のスタッフのみなさんの気持ちを考えると何と言っていいのか・・・。

ただ、そういう状況でも主眼を市民の皆さんに置いておられる医師会の皆さまにも脱帽であり、尊敬の極みであります。

結局、市民病院は医師招聘問題にメドさえつけば独立行政法人や民間移譲、指定管理者など考える必要はないのかなと思う訳ですが、それについて医師会と行政が手を組み解決する方法はやはり難しいんでしょうか・・・。
医師会の力(人脈・・・?圧力・・・?)で医師の招聘は何とかしますよ。その代わり公立病院として2次医療のまま運営しなさい。というような方法は取れないものでしょうか・・・。

このままいけば市民病院がどうのこうのではなく武雄市から中核病院が無くなり医療の崩壊しか待っておらず、最悪の事態を招きますよね。

何としてでもそれだけは避けたい。これは医師会の皆さまも同じ気持ちだと思います。武雄市民病院スタッフの皆さん、そして武雄市民の皆さんを守る事が出来るような前向きなアイデアが無いでしょうか?
written by 元サッカー選手 / 2008.03.26 23:53
医師会の方々が、競輪医務室詰めや休日急患センターを持ち回りでやられている事を知っている武雄市民がどれくらいいるでしょうか?
私の父母も長く武雄に住んでいながら、知らないのが現実です。
退役内科医さんの言う通り、市に対決姿勢をみせるのもショック療法ですが、市民病院存続の署名よりも効果的かもしれません。

武雄市民が地元医療について真剣に考える時だと思います。
先日、かんたさんのコメントで兵庫県立柏原病院のことに触れていましたが、子を持つ母親が危機感を持って「県立柏原病院の小児科を守る会」を立ち上げられています。
その中の三つのスローガンに感銘を受けました。
1.コンビニ受診を控えよう
2.かかりつけ医を持とう
3.お医者さんに感謝の気持ちをつたえよう
私たち市民が、まず出来る事であり、効果的な事だと思います。
written by KAZU / 2008.03.27 00:07
退役内科医さん。コメントありがとうございます。そして退役内科医さんがおっしゃる意見も班会では当然出ています。市と協力していかんといかんぞと昨日のところ【は】なった、ということです。退役内科医さんにはここで医師の本音を代弁していただいてありがたく思っています^^。そして強行姿勢を貫くのにもうひとつ踏み切れないのは市民の意識です。市側からの情報はあまりにも一方的なので、市民は正確な判断ができずにいます。そんな中で強硬姿勢をとって市民が迷惑をこうむるのはかわいそうだと思ってしまいます。医師会の考えを折りこみなどでお知らせしましょう、という意見もありました。それもいいとは思いますが内容には十分気をつけないと、ある市議会議員さんのつまらんビラがトラウマになっていて、それと同等な扱いをされるのはイヤだと自分としては引いてしまいます・・・。またいろんな会に医師会と協働する動きを働きかけても最後にトップの方からストップがかかると聞いています。トップは市と協働していますからいろんなお考えがあってのことと思いますが、一般市民のことを考えれば、市民病院のことを考える機会は与えるべきだと思います。
written by かいぼー / 2008.03.27 08:14
元サッカー選手さん。『結局、市民病院は医師招聘問題にメドさえつけば独立行政法人や民間移譲、指定管理者など考える必要はないのかなと思う訳ですが・・・』そこまで理解していただいたことありがたく思います。本当はそうだったんです。武雄市民病院は財政的には少なくとも佐賀県内では優良の公立病院でした。なのになぜ先走って経営形態の変更に手をつけなければならなかったのか。6億の累積債務の内容は説明せず、ただ債務があるという一方的な情報を市民に流し、・・・。いえ、考えるのに早すぎることはないのですが、そのやり方ですよね。そんなに時間がないわけではなかったのです。そしてその結果招いたこの事態に対して市はどのように市民にお詫びをするのでしょうか。そして今の形の市民病院への再建の方法があるとすれば、佐賀大学の信頼を取戻すことだと思います。2年後になくなる病院には余剰な医師がいない今、派遣はしないと思います。民間移譲する場合の有力な候補先があるということは白紙にして、市民病院として今後も佐賀大学から医師の招聘をお願いしたい旨を真摯にお願いすることだと思います。
written by かいぼー / 2008.03.27 08:29
KAZUさん。ありがとうございます。これまで医師の世界ではいろんなことを一般の方々にアピールしなくてもいいような風潮がありました。わかるひとにわかっていただけたらいい、みたいな。それでも自然と尊敬されていたり感謝されていたり、ということがあったので医師もそれでよかったのです。でも今は苦情や訴訟、挙句の果ては最善を尽くしても結果が悪ければ逮捕、有罪という時代になりました。こうなったら医師として、私たちはこんなこともしていますよ、とアピールしないといけない時代になったんでしょうか。これだけの仕事を市と協力していることは市の執行部もご存知なかったのでは。行政として感謝の念を持っていただけていれば今回のように医師会を無視しての進め方はなかったと思うのですけれど。
written by かいぼー / 2008.03.27 08:44
で、確かに医師会が行った署名活動は効果がなかったですよね。僕は思うのです。医師会と関係ないところで署名活動など起きれば、これは市も無視できないだろうと。ただし、既存の会でしようとするとトップからストップがかかる可能性が高く難しいという話です。市民に与えられる情報が少ないことも問題ですしね。でも理解されている方は確実に増えてきています。これからの動きに期待します。
僕は以前にも書きましたが、市民の方々にこれを機会に医療についての理解が深まればいいと思っています。
かんたさん、KAZUさんが書いておられますように県立柏原病院でも住民の方からの動きですよね。おっしゃるとおりなんです。
written by かいぼー / 2008.03.27 08:53

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