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2008.03.13 07:52 |  医療制度 / 行政  |  生活 / くらし  |  かいぼー  | 推薦数 : 0

「早よ死ね」て・・・

「もう早う死んでよかぁ。」来院される高齢者の患者さんが以前からよくおっしゃった言葉です。これはみなさんが長寿になり、介護など家族にお世話になることを心苦しく思い、もう自分は十分生きてきたから死んでもいいよ、という気持ちからくる言葉でした。それを聞いて付き添いの家族は「なんばまた言いよっとね。」と笑顔で返し和んだ空気が漂っていました。

そして最近は「もう早う死ねて言われようごたぁ。」という嘆きの言葉がよく聞かれるようになりました。そしてご家族も現在の政府の政策はそうだと言わんばかりに頷かれます。高齢者の方々は、もう自分は社会に対して役立たずで、手ばっかりとって、お金もかかって、情けない、と思っておいでです。ここまで一生懸命みんなのために働いて生きてきて、どうしてこんなに惨めな情けない想いをさせないといけないのでしょうか。今の日本は哀しすぎます。

どうしてこうなったのでしょうか。

それは三権分立が、特に立法と行政が分立していなかったことです。まず立法。行政サイドの内閣の各大臣は官僚主導の政策をたいして検証もせず政策として国会へ。そして国会議員も族議員を除けばたいして勉強もせず内閣・省庁から出された政策を族議員が中心となって官僚主導で立案し、そして与党多数で可決。この流れが当たり前のようにずっと続きました。

それでも以前は官僚もそして議員も国民に対して思いやりがあったので、国民はそこまで哀しい想いはしなくてもすみました。弱者までも思いやるバランス感覚は以前のほうが確実に優っていたと思います。おかしくなったのはあまりにも財政主導の考え方が主流になってからですね。しかも削るべきところをきちんと削れなかったので、そのしわ寄せが一気に国民生活しかも弱者のところへ押し寄せてきました。

そして最近の(私が知る限りにおいての)厚生労働省や総務省が打ち出す案は思いやりに欠けるものが多すぎると思います。官僚が若く、世間知らずで、一般の方や弱者の気持ちがわからない人が多いからでしょうか。そして議員の方々もあまり検証せずに(おそらく理解できないまま)その案を成立させることが目立ちました。その点は地方自治体の議員の方々は住民に密着されているのでそこまではないと思います。そしてもっと中央へその不平不満をぶつけてほしいと思います。

現場からは立案の段階からおかしい、それは無理だ、との声が挙がっても抵抗勢力扱いで無視して、強引に通す手法がとられてきました。また大抵の案は、現在の衆参ねじれとは違い、与党多数で通ってきたため、大事な案でもニュースにはならず、国民が知らされることなく、それが実施される直前になって問題視されるということになっているのです。

この4月から始まる後期高齢者医療保険制度、特定健診・特定保健指導なども顕著な例です。(このブログを読まれている方々のどれくらいの方が実際ご存知でしょうか?もし議員さんの中であまり知らないとおっしゃる方がいらっしゃいましたら完全に勉強不足、認識不足です。これは大事な問題です。今回の武雄市議会でこのことについての質問はどれくらいあったでしょうか?H議員さんが後期高齢者医療保険制度の廃止を求める質問をされているようですね。さすがです。)また医療費削減による医療現場の疲弊に対する行政の認識の甘さ、遅さ。そのことによる救急体制を含めた医療連携に対する無策。武雄市民病院に関しては早く方針を出すべきと思います。民間移譲なのか独立行政法人なのか。医療機能についても今までの市民病院のような市内の高齢者の2次医療そして看取り機能を維持した病院にするのか、何らかの疾病に特化した高次最先端医療の病院(入院期間は14日以内)にして市民だけでなくもっと広域エリアのその疾患に対する患者を対象にするのか。そしてその両者の機能を持った夢のような民間病院はまずありえません。現実的な選択をなさってください。どちらの機能を選ぶかです。そしてもうひとつの現実的な、しかしできるだけ避けたい選択としては廃院もあります。ここまでくればそれも現実的な選択です。しかしその際の市の責任はものすごく大きいです。市民の資産(市民病院)を無にしてしまうのですから。

ただただ崩壊していく社会。誰も責任は問わない。取らない。問う時間もないほどの速さで崩壊していく。

日々の診療で高齢者の情けなさ、生きていて哀しい、寂しいという気持ちに触れる度に、今のあらゆるレベルの行政に、もっと苦しんでいるひとたちの気持ちを感じてほしい。もっとはっきり言うと、何が道路だ!今困っている、哀しんでいるひとたちを救う道を探そうよ、と言いたくなります。医療人のたわごとでしょうか。そうかもしれません。要するに世間がどの程度の負担でどの程度のレベルの医療を望むかですもんね。でも世論はあてにならないと思います。官僚だけでなく社会全体が思いやりに欠ける傾向にあると思うからです。

ただただ崩壊していく社会。誰か救世主になってください。

 

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