昨夜、佐賀県医師会メディカルセンターにおいて

佐賀県医師会医療連携推進委員会(13名中11名出席、県内各地区医師会代表)と脳卒中・地域連携パス作成検討会議(26名中23名出席、脳卒中を専門で診療している県内23施設の病院・診療所および保健所長会会長と佐賀県医務課)の合同の会議が行われました。

佐賀県内のすべての病院、診療所での脳卒中に対する医療機能について、超急性期、急性期(救急医療)、回復期リハビリ、療養提供、介護サービス、在宅医療、かかりつけ医に分類された一覧表ができています。そしてそれは4月に県から公表されます。ちなみに武雄市民病院は急性期(救急医療)機能を担う病院になっています。そして嬉野医療センターが超急性期機能の病院となっています。

また資料の中に急性期病院の医師たちから医療連携推進委員会への要望書が入っていました。これは私のブログを見られているみなさまにもぜひ考えていただきたい現場の声ですので、抜粋して載せます。

『(前半略)

脳卒中は全身の血管病の一つの症状として発症し、危険因子としての高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、心房細動の管理、治療を急性期より始める必要があり、また急性期リハビリテーションも重要です。そのためには循環器内科医や糖尿病専門医との連携が不可欠です。また脳卒中地域連携パスに記入する項目はADL、リハビリ、認知機能、嚥下、栄養、じょく創など多岐にわたり、多職種によるチーム医療の存在なくてはなりたたなくなっています。また脳卒中に軽症か重症、3時間以内かどうかで搬送先をかえるのは適当ではなく、軽症者ほど危険因子の検査、管理をしっかり行い、再発予防に努める必要があります。たとえ3時間過ぎていてtPAの適応がなくとも、SUによる治療、早期リハビリが予後を良好にするため、それが可能な急性期病院に搬送すべきと考えられます。またtPA治療が受けられる患者の割合を増やすためには、かかりつけ医を介さずに、救急車で急性期病院に搬送すべきと考えられます。脳卒中症状が出現した患者さんに、電話でかかりつけ医が救急車で急性期病院に行くように指示することが勧められます。このようにtPA治療ができ、SUをもつ急性期病院に患者を集めることは、患者さんの予後を改善させるばかりか、急性期病院の院内体制を充実させ、3時間以内の脳梗塞患者のtPA実施率を上げることが知られています。現在日本の急性期病院での脳卒中スタッフの人員規模は小さく、とても24時間365日脳卒中専門スタッフが最初から対応できているとはいえません。2次医療圏ごとに1~2つの病院に拠点化し、スタッフを集中させ、24時間365日断わらない急性期病院をその地域にもっておくことは、地域住民やかかりつけ医にとっても有意義なことと思われます。

(略)

以上、佐賀県の脳卒中医療連携体制の急性期(救急医療)機能として望まれる医療機能(脳卒中センター)は、tPAに対応できることとstroke unit をもつことが必要と考えられます。ひとたび脳卒中症状出現時は、かかりつけ医への受診を介さず、急性期病院へ救急車で搬送することが肝要です。ただし佐賀県内でも地域によって上記の基準をみたす施設がない場合もあり、県民すべてが同じような脳卒中急性期医療を受けられるように各医療圏毎に脳卒中センターを整備することが必要です。各医療圏で現在脳卒中を扱っている急性期病院の中で比較的整備されている病院をさらに充実させ、脳卒中センターとする必要があります。合わせて、救急隊、県民への脳卒中医療体制に対する啓蒙活動が必要だと考えられます。』

ものすごく正しいことが書いてあります。そして脳卒中の専門家を各医療圏毎に集中させ、24時間365日体制できちんと診療がしたいという現場で働く医師の意気込みを感じます。

そして上記文章を読んでどう感じられたでしょうか。この地区において脳卒中センターを作るとしたら、現状から考えたら嬉野医療センターのほうが、循環器内科医の充実やその他の環境から考えると超急性期を診る環境としてはもっともいいのではないかと考えます。そして回復期リハビリ機能を武雄市民病院が担う、とかですね。(話し合いがつけば武雄で超急性期、嬉野で回復期リハというのも可能かもしれませんが、回復期リハのほうが入院期間が長いことを考えれば家族にとっては武雄に回復期リハがあるほうが助かるのではないかなぁという考えもあってのことです・・・笑)

今後、医療圏の中で役割分担・機能分担をしていく中で資産(医療施設)・資源(医師)の有効活用を広い視野で考えていく必要性を昨日あらためて認識させられました。

また、ここでは述べませんが、すごく感心したのは、そこで示された佐賀県版ともいえる地域医療連携パス情報シートです。本来ならば県が作るべきところをものすごい労力とボランティア精神でもって医師会(作業部会)の方(特に1施設2名の手によって)で作り上げてありました。細かい修正部分は実際使いながらバージョンアップしていかれることでしょうが、出来栄えの素晴しさとその奉仕精神のすごさに佐賀県の医師会は本当にまとまっているなぁと感激しました。

 

 

 

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