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< ひとを愛すること(第70話)-② | メイン | 愛とともに生きる(第71話)ー② >

お待たせしました。久しぶりにRessarさんのメールをご紹介します。生まれつき多くの難病を抱え、生死の境をさまよう危険な状況を経ながらもしっかり生き続けて、この11月に18歳になりました。このブログで彼女のメールを紹介するのも5月から始めて70回目です。どうぞ遡って読んでみてください。

奇跡なのは、彼女の身体はこんなにもぼろぼろなのに、その頭脳はとても聡明なことです。僕は彼女のメールを読む度に、自分は自己満足だけで生きていないかを反省します。

医師として、苦しんでいる人の役に本当に立っているのか?

みなさんもそうだと思います。自分が生きているのはひとのため。でも本当にひとのためになっているのか?自己満足で終わっていないか?

Ressarさんは寝たきりでもこんなにひと(僕やこのブログの読者のみなさん)のためになっていると思います。

今回は彼女の恋愛についてです。あまりにもプライベートな内容だったため載せることをためらいましたが、彼女から了承を得ましたので載せることにしました。

僕が一番嬉しいのは彼女の゛生きる゛というメッセージです。

 

ずっとメールできずごめんなさい。
あまり、具合がよくなくて・・・
心臓発作と肺炎がなかなか治らず・・・・・・。
ずっと、寝たきりでした。

そして、私の中でもいろいろな葛藤がありました。
私には・・・4年付き合っている彼がいます。
付き合っている、といっても、恋人ではありません。。

以前は、恋人でした。

彼とは、ボランティア時代、介護施設で共に働いた人です。
私より10歳年上で、介護福祉士です。

私は・・・2年間付き合った元彼を同じ骨髄性白血病で亡くしています。
元彼の命日が・・・もうすぐです。
毎年この時期になると精神的に不安定になり、情緒も安定しません・・・。
6
年が経とうとしているのに、未だ向き合うことも立ち直ることも、できてません。。

共に闘った仲間でした。
そして、未来を約束した人でした。
私の、初恋の人でした。

子どもじみた恋愛ではなく、
私たちは・・・本当に愛し合っていました。

最期の瞬間。
私と彼が付き合っていることを知っていた主治医の先生と看護師長さんが私を面会謝絶の病室に入れました。
意識もほとんどなく、うつろうつろする状態が続いていたのに、その時だけはっきりと・・・
目を覚まし、彼は私にこう言いました。

「俺たちは、みんなに自慢できる生き方しような・・・・」


これが、彼の最期の言葉でした。

隣には、ご両親も、彼が大事に思っていた妹さんもいたのに・・・
最期の言葉が、私に充てたものでした。
もっと伝えたいことが、あっただろうに。
もっと言いたいことが、あっただろうに。

その時の私も、状態が不安定で無菌室治療を余儀なくされていましたが、無理を言い、主治医の先生同伴で、彼の告別式に向かいました。

大好きな人が、白い煙になってお空へかえってく。
その時、なんて人の命は儚いのだろうと・・・・思いました。

時期を同じくして、大好きだった主治医も転勤でいなくなり、支えが二つともなくなったようで、そして、まったく時期を同じくして、私の病気は進行しだしました。
私は自分を見失いました。

彼の後を追いたい。とも思いました。

四十九日がすぎたころ、彼のお母さんからお手紙をいただきました。

「最後に、あなたという素晴らしい女性に出会えて、私たちは幸せでした。
恋も知らず死んでゆくよりは、あの子は十分幸せな人生だったと思います。
あの子を愛してくれてありがとう。」

私は、何度も何度も手紙を読み返しては、おえつがとまりませんでした。

両方の両親とも公認のお付き合いで、
外泊が許された日には、お互いの家に泊まりにいったりもしていました。

まだ16歳だったのに。
まだ・・・・生きたかったはずなのに。

私はそれから、何かを掴むように、ボランティアの世界に入りました。
そこで、彼と・・・であったのです。

もう、人を好きになることは、ないと思った。
人を愛しいと思うことも、すきという感情がどんなものなのか、思い出すことも、できませんでした。

あの人に・・・であうまで・・・。

病気の進行は止まることなく、確実に進んでいきます。
ボランティアももう・・・無理。
そう、決意し、施設側に言って、残りの限られた日数をがんばって働こう。と決意していたときでした。
私は彼に、仕事が終わったら、近くの公園に呼び出されました。
なんだろう?と、介護のことかな?
と思って、終わるとすぐに行きました。

彼は、もう来ていました。
そこで、私は、告白を受けてしまいます。

けれど、私には、彼の言葉を・・・受け止めることができませんでした。
こんなに私を想ってくれる彼を、傷つけたくはなかったのです。
元彼のことを忘れることができない私を、好きになってもらいたくなかったのです。
それは、きっと、残酷なほど、彼を傷つけてしまうから・・・。

私は意を決して、元彼のこと、病気のこと、そして・・・過去の事件のこと・・・・。

すべて話しました。

それで、嫌いになってもらいたかった。
こんな女、って思ってほしかった・・・。

それでも、彼は・・・私に言ったんです。
「辛かったな。
元彼のこと・・・無理して忘れんでもいい。忘れたらアカン。
その人は、お前が忘れん限り、お前の中で、生き続けるんやで。今も・・・お前のここで、生き続けてるんや・・・」

そう言った彼は、泣いていました。

(下へ続きます)

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人は誰かを好きになれた時、一番輝くものなのかもしれません。
誰かを・・・心からいとおしいと感じた時、人は誰よりも優しく、そして強くなれるのかもしれません。

人は人をいとおしいと思い、人を、恋しいと思うからこそ、素晴らしいのかもしれません。

愛するからこそ、幸福。

時に、その気持ちを裏切られることがあっても、誰かをいとおしく感じていた時間は、かけがえのない宝物。

written by azuki / 2007.12.20 23:03

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