昨夜は『第3回 武雄地区医療連携看護研修会』がありました。テーマは『摂食・嚥下について』。これは武雄地区の看護師さんのための研修会です。
普段何気なく口に食べ物を運んで咀嚼して飲み込んでいますが、これは大変複雑な連動した動きが必要なんです。どこかがおかしくなればその連動した動きが障害され、とても不自由な思いをします。
そして食事介助が必要な患者さんは多くおられます。
介助者のほとんどは自分が食べる時に苦労していませんから、ただ食べ物を口に運んであげればいい、と思いがちです。
昨日はその何気なくしている介助が実は患者さんには苦痛かもしれない。何気ないことでも患者さんの身になって、思いを至らして介助することの大切さに気づかされました。
そして、そのひとつひとつの理解の積み重ねがユニバーサルな社会の形成にとって必要なことなのです。
食べる時に自分の口の動きを感じてみてください。ポイントは口唇、下顎、そして舌です。
プリンなどの半固形のものを食べるときは上口唇で軽く吸い込んで、そして2、3回軽く舌で混ぜて飲み込みます。
口唇が上手く使えない人だとスプーンで口腔内に持って行ってあげて、下顎を反対の手で軽く固定してあげると食べやすい。
舌が上手く使えない人は、普通の人が2、3回で飲み込めるのに何回も何回も口の中でもぐもぐして、また嚥下が上手くできない人だと、そこから飲み込むのも暇がかかります。でも半固形だと嚥下障害のある方でも飲み込みやすい方ではあるんですけどね。
でも半固形でも何気にフルーツinゼリーだったりすると食べにくいので注意です。気をつけて与えたつもりでも思いが至っていない、ということになります。
固いものだと、重要な役割をするのは下顎です。そしてそれぞれ利き腕ならぬ利き顎を持っています。右でよく噛む人、左でよく噛む人です。僕は右です。
で、このクセを知って、右でよく噛む人なら右の下顎に固形物を入れてあげれば介助されている人は食べやすいですね。なかなかそのクセまで考慮して介助している人は少ないのではないでしょうか。少なくとも医師である僕は全くそのことは今まで考慮していませんでした。
水分を与えるときも、こぼれないように、下唇に強く押さえつけますが、強く押さえつけすぎると飲みにくいです。自分でしてみるとわかります。
そして下顎も軽く固定してあげてください。
そして嚥下については複雑に多くの神経や筋肉が関係していて上手な介助だけでは難しいです。機能に左右差がある場合は良い方を下にして、あるいは食事にとろみをつけたり・・・。その工夫は大事ですがなかなかそれだけでは解決しません。手が届かない機能障害の部分ですからね。
昨夜の研修を通して、患者さんの身になって考えてみれば気づいたかもしれない些細な、でも患者さんにとっては、特に寝たきりであれば尚更重要な食事のことに、看護(みまも)る立場の僕らにまだまだ思いが至らないところが、そこここにあるんだなぁ、と考えさせられるとともに、このような研修会でそのようなことをひとつひとつ勉強していくことはとても意味のあることだと思いました。
固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)
| 日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | ||||||
| 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
| 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
| 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
| 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 | 29 |
| 30 |