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2012.02.03 07:14 |  グルメ / お酒  |  映画 / 音楽 / 読書  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 0

砂糖の次は塩

 上杉謙信が武田信玄に塩を送った、というエピソードを持ち出すまでもなく、日本では塩は人に必須のものとして扱われていました。日本中に「塩」がついた地名がありますが、海岸沿いのものはともかく山の中のものはおそらく塩の輸送に関連したものではないか、と私は想像しています。たとえば「塩尻」は「塩を大規模輸送する終点」の意味ではないか、とか。
 体の中でも塩は輸送されています。たとえば腎臓では、血液から濾された体液をそのまま尿として排出したら大切なものが大量に失われてしまいますから、尿細管で「再吸収」という回収作業が行なわれます。そこで回収される代表的なものが、ブドウ糖や水分、そしてミネラル(つまりは塩分)です。体内環境を維持するために、塩分はせっせと輸送されているのです。
 ナトリウムイオンの再吸収に関与するホルモンとしては、副腎皮質から分泌されるアルドステロンが有名です。これは、レニン→アンジオテンシン→アルドステロンの順番でホルモンが連鎖反応をして、尿細管でのナトリウムイオン再吸収が活発になり、最終的に体内にナトリウムを貯留させる方向に動きます。塩分は水を引きますから結果として起きるのが高血圧。そこでその“連鎖反応”をブロックさせる薬として、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)やアンジオテンシン受容体ブロッカー(ARB)が高血圧に対して使われています。
 さて、「ナトリウムイオンの再吸収」と言いましたが、得るものがあれば失うものもあります。尿細管でナトリウムイオンの再吸収を担当しているのは「ナトリウムチャンネル」ですが、ナトリウムを輸送するときにその“身代わり”として、カリウムイオンを反対方向に輸送しています。ということは、ナトリウムイオンの体内への輸送量が増えれば増えるほど体内のカリウムイオンが減少することになります。細胞内にはカリウムイオンがたっぷり含まれているので、血液中のカリウムイオンが減少しても細胞内から補給することは可能ですが、あまり補給しすぎて細胞内のカリウムが減ってしまうと、簡単に言えば細胞の電気活動が落ちてしまいます(細胞内外のイオンの不均衡が、細胞の電気活動のエネルギー源となっています)。それは困るのである程度で細胞内からの供給が途絶え、血液中のカリウムが減ってしまうことになります。低カリウム血症と呼びますが、その症状としては、不整脈・筋力低下・神経機能の低下・精神症状など。「周期性四肢麻痺」という病気がありますが、これもカリウムイオンが突然低下することによって全身の脱力が起きる病気です(こちらの原因は、アルドステロン系ではなくて甲状腺が多いそうです)。
 「偽アルドステロン症」というけったいな名前の病気もあります。これは、いかにもアルドステロンが悪さをしているように見えるのにいくら調べてもアルドステロンの値には異常が見つからない病態です。その原因の代表が「漢方薬」。日本で売られている漢方薬の多くに含まれている「甘草」を大量・長期に摂取を続けると、低カリウム血症が起きます。漢方薬が一種類の単独処方だったらまず心配ありませんが、複数の漢方薬をいっぺんに服用してそのそれぞれに甘草が含まれていたら、容量オーバーになる確率が高くなります。おっと、単独の漢方薬でも「甘草湯」は注意が必要です。激しい喉の痛みには大変よい薬ですが、なにせ「甘草だけ」で構成されている漢方薬ですから、普通では入らない量の甘草が体内に入ってしまいます。名前は「甘」なのに塩分に関与するとは、まったくけったいな生薬ですね。味はちょっと甘くてそれなりに美味しいのですが(ですから甘草は昔は(というか今も)甘味料としても用いられています)。

参考図書、というか、サイドメニューとして……
塩の事典』橋本壽夫 著、 東京堂出版、2009年、2500円(税別)

 

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2012.02.02 18:34 |  グルメ / お酒  |  映画 / 音楽 / 読書  |  おかだ  | 推薦数 : 1

砂糖と果物

 朝食に美味しい匂いをぷんぷんさせるパイナップルが一切れ登場したのを見て、子供時代に初めて「生のパイナップル」がわが家に登場したときのことを思い出しました。
 それまでわが家で「パイナップル」といえば「缶詰」でしたから、あのごつごつの表皮の塊がごろんと転がっているのはそれだけでインパクトがありました。で、お袋は「どうやるの?」とついていた説明書と首っ引き。頭とお尻を切って皮をむいて割って芯を取って……ところが皮の厚みをどのくらいにするのかもわかりません。子供から見たらその作業自体がわくわくする“イベント”でしたっけ。で、「最終産物」が、缶詰でおなじみのリング状でないのも新鮮でした。
 で、食べてみて驚きました。それまで食べていた「パイナップル」は、つまりは缶詰のシロップの味だったんだな、と。当時桃や蜜柑は缶詰も生も両方を食べていたから、そこから「缶詰の味(シロップの味)」というのを一般化しておけば良かったのですが、まあ子供のことですから。
 そういえば当時は苺も「砂糖とミルクの味」でした。コンデンスミルクか、普通のミルクと砂糖をかけて食べるのが普通のやり方。それから何年も後にグレープフルーツに出会ったときもやはり「砂糖をかけて食べる」のが普通でした。今はどれもそのままいただきますが、時には「昔の味」が懐かしくなることがあります。子供時代の味覚はいくつになっても体のどこかに残っているようです。

 日本人は昔から甘いものが好きだったようですが(フィクションですが『芋粥』(芥川龍之介)を思い出します。あ、清少納言も「あてなるもの」として「削り氷にあまづら入れて新しき金まりに入れたる」を挙げていましたっけ)、その「甘さ」を強烈に味わうことができる砂糖が日本で大人気になったのは、江戸時代からのようです。江戸時代のお菓子のレシピ集(*1)(*2)には様々な砂糖を使用したお菓子が登場します。で、そのなかに「果物(など)の砂糖漬け」のコーナーも。ここに登場するラインナップはすごいですよ。「とりあえず何でも砂糖漬けにしてみました」なのかな、と言いたくなるくらい。たとえば、生姜・金柑・瓜・西瓜。うん、このへんは大丈夫。味も大体見当がつきます。まだまだ出るよ。茄子・蓮根・牛蒡・人参・百合根・空豆・独活……ふむ?  料理の天ぷらや煮物じゃないですよ。シロップで煮た砂糖漬けの話です。まだまだ出るよ。豆腐に椎茸。ちょっと私は逃げ腰になります。そしてとどめは、松の緑・麦門冬。咳に使う漢方薬である麦門冬湯はほんのり甘いから、きっと麦門冬そのものも不味いものではないでしょう。だけど生薬を砂糖漬けにしてばりばり食って良いのかなあ。あ、松の緑(松の若葉?)についてはノーコメントです。

参考図書
*1)『近世菓子製法書集成(1)』鈴木晋一・松本仲子 編訳注、平凡社、2003年、3000円(税別)
「古今名物御前菓子秘伝抄」(享保3年(1718))「古今名物御前菓子図式」(宝暦11年(1761))「餅菓子即席手製集」(文化2年(1805))「菓子話船橋」(天保11年(1840))が収載されています。

*2)『近世菓子製法書集成(2)』鈴木晋一・松本仲子 編訳注、平凡社、2003年、3000円(税別)
「南蛮料理書」(年代不詳)「鼎左秘録」(嘉永5年(1852))「古今新製名菓秘録」(文久2年(1862))が収載されています。


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2011.12.31 18:06 |  グルメ / お酒  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 0

さしすせそ

 中毒を起こすものと言ったら、麻薬や覚醒剤、一般に売られているものでしたら、アルコールや煙草を思いつきます。そういえば、目立ちませんが、たとえば香辛料にも中毒作用があるかもしれません。一度辛さの美味さを覚えた人は、辛くないと満足できなくなってしまう様子を観察していての推定です。さすがに禁断症状はないでしょうから医学的な意味で「中毒」と言ったら言い過ぎかもしれませんが(でも、実験をしてみないと本当のところはわかりませんけれどね)。
 それと同様に、日本料理での食塩や砂糖はどうでしょう。これも、(たぶん)禁断症状はないでしょうから医学的な意味での「中毒」ではなくて、一般日本語としての意味での「中毒」があるのではないかな、と思ったのです。
 「日本料理に塩は確かに多めだろうが、自分は、減塩には気をつけているし、辛党だから甘いものは食べないぞ」と言われる方は多いでしょうが、では、ちょっと想像してみてください。「砂糖抜き」の日本料理を。実は日本料理は、意外に“砂糖漬け”なのです。家庭で作るお総菜だったらまだそれほどの使用量ではないでしょうが、店で売っているおかずや料理店の日本料理、砂糖抜きだとどんな味になるか、想像できます?  明日から食べる予定のお節料理もずいぶん濃い味ですね。わが家は薄味党なので家内はどんと調味料を減らしていますが、それでも濃く感じます。

 そういえば、北海道では、大晦日からお節料理を食べる、とさっきラジオで言っていました。本当?


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2011.10.18 06:35 |  生活 / くらし  |  グルメ / お酒  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 0

ファミレス

 私が大学に通っていた頃、日本中でどんどん増えたのが、コンビニとファミレスと回転ずしの店でした(他にもあるかもしれませんが、貧乏学生の自己中心的な世界観です)。学生時代、ファミレスにはお世話になりました。客としてもですが、バイト先としても。はじめは夕方勤務だったのですが、すぐに深夜シフトに移動して、同じ時間働いても仕事は楽(お客さんが少ないから)で時間給は夕方より多い、という微妙に美味しい思いをしましたっけ。さすがに夜中の2時に仕事を終えて帰るのはしんどかったのですが。
 就職してから時々行っていた安いステーキ屋では「888円のビーフステーキ」が売り物でした。学生時代にバイトしていたファミレスのステーキより安いのにそれより美味かった。使っているのは確かに安い肉なのですが、妙に柔らかいので不思議に思って店の人に聞くと、パイナップルか何かから抽出した酵素で肉を処理している、と教えてくれました。たしかにパイナップルにはプロメラインというタンパク分解酵素があるから、生肉を酵素処理したら柔らかくはなるでしょう。上等になるわけではありませんが。

 学生時代に受けた口腔外科の授業で、「食事」の話がありました。骨折をしたらふつうはギプスを巻きます。肋骨を骨折したらバストバンド。つまり「折れた骨は固定して動かないようにする」のが大原則です。折れたところがぎしぎし動いたら痛いしくっつきませんから。では顎の骨折の場合は?  たしかその授業では「針金で縛って固定」と習ったはずです。しかしそうしたら、発声も咀嚼もできません。発声は筆談にするにしても食事ができないのは命にかかわりますから、経管栄養です。当時は特別濃厚流動食といった便利なものはありませんでしたから「ミキサー食」でした。ごはんもおかずもミキサーに突っこんでどろどろにして管を通して胃袋へ。
 ところがこれは、想像したらわかるでしょうが、食欲が出るようなシロモノではありません。患者としてはストレスがたまってしかたないのです。そこでせめて「何を食べているのか」だけはわかるように、まず「完全な形の食事」をベッドサイドに運び、そこでじっと見つめてもらってから皿の上の「食品」をミキサーに投入して「ミキサー食」にする、というテクニックも使う、と私は習いました。
 嚥下困難や咀嚼困難者のためには、食事に工夫をします。噛めない人には最初から噛んであるように切り刻んでおく、飲み込みにくい人には喉を通りやすいようにとろみでまとめておく、といった工夫をしたら、喉を通りやすくなる、というものです。ところがこれまた、美味そうには見えません。良くて離乳食のようなもの、悪いと……やめておきましょう。食欲が減退する表現になってしまいますから。
 ところが、「外観が普通の食事のままで、口に入れたら舌で簡単につぶせるくらいのやわらかさ」といった「嚥下・咀嚼困難者食」の話がときどき聞こえるようになりました。何年前だったかな、超高圧下に食品を置いたら色も形もそのままで硬さだけが柔らかくなる、というニュースを聞いた覚えがあります。そして最近は「888円ステーキ」のような感じで、「酵素を使った摂食回復支援食」というものが登場しました。固有名詞を出しちゃいますが「あいーと」(イーエヌ大塚製薬株式会社)です。これ、実物を見たことが(試食をしたことも)ありますが、見た目は「普通の食事」です。でもとてもやわらかい。これなら「栄養補給のための物体」ではなくて立派な「食事」です。
 嚥下困難の老人が家族と一緒に食卓を囲む(一緒に「食事」をする)のが容易になり(そして台所担当者の負担も減り)ますが、もう一つ私は夢を見ます。ファミレスです。
 昔と比べてファミレスは明らかに和食などが充実し、高齢者社会に対応しようと努力しているようです。だったらメニューにこういった摂食回復支援食も入れておけば、新しい客層を開拓できるのではないでしょうか。少なくとも「お祖父ちゃんは外では食べられるものがないから」ということで外食を控えていた家庭を呼び込むことができるかもしれません。それは新しい形の“ファミリー”レストランになるのではないかな。


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2011.08.22 18:46 |  グルメ / お酒  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 0

ドーナツ式

 私が若い頃に住んでいた地方都市には、マクドナルドとほぼ同時期にミスドも続々出店を始めた記憶があります(数年の違いがあっても「記憶の誤差」ということで勘弁してください)。当時私よりちょい若い世代の一部で流行っていた「一番エコノミーでカロリー・リッチな行動」は「ミスドでドーナツ、マックでシェイクを購入して一緒に食べる」というものでした。私は甘党ですが、それでも一瞬胸焼けがしそうです。
 ドーナツとは、“ミスド以前”には「お袋が作ってくれるもの」でした。揚げたての、熱くて甘くてさくさくのドーナツの味は、今でも舌に蘇ってきます。
 先日息子がミスドでドーナツを選んでいるのを店の外から眺めながら、そんな思い出を口の中で噛みしめていましたら、連想が三段跳びをして「ドーナツ型のウンコはできるだろうか」という変な疑問を持ってしまいました。この場合はドーナツのように生地を型で抜くわけにはいきません。そもそも腸内では「平たい生地」を作るのが無理。絞り出し法を参考に、小さな塊を腸管の粘膜に沿って転がすようにしてねじりん棒を作ってから、肛門直前でなんとかその両端を接続させることができたら……可能?  でも、「ドーナツ」ができる前に腸の方が無理な運動で捻転してしまいそうです。
 で、皆が店から出てきたので早速その話を披露しようとしたら、3秒で却下を食らってしまいました。どうして?


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2011.07.18 17:58 |  グルメ / お酒  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 0

サフラン

 あるカレー専門店に入ったらご飯が黄色っぽくて、おやサフランライスかな、と思ったらどうも香りが違うようで、結局店に確認はしなかったのですが一同協議の上ターメリックで色をつけたご飯だろう、と結論を出したことがあります。カレー自体は美味しかったのでそれから何回も行きましたが。
 ご存じの方は多いでしょうが、香辛料としてのサフランは、同名の花のめしべを乾燥させたものです。めしべは真っ赤なのに、黄色く着色するのが特徴で、サフランライス・ブイヤベース・パエリヤなどに使われます。なにしろ量がとれませんから、高価なのも特徴と言っていいでしょう。
 で、これを「番(蕃)紅花(ばんこうか)」と呼ぶと、香辛料ではなくて「生薬」になります(「日本薬局方」には「サフラン」の名で収載されていますが)。効果は、婦人科系だと、通経(生理痛や月経困難の緩和、月経をうながす)や子宮収縮作用があるため、堕胎。鎮静作用もあるため不眠に対して処方されることがあります。
 私がこのことを知ったときには「よし、不眠に対して処方してみよう」なんて思いましたが、やはりネックは値段でした。平気で5桁の値段がついている「薬」を、そう簡単に処方はできません。指でつまんだ量を大事に大事に料理で使ったのを食べるくらいにしておいたほうがよろしいかしら。もちろん、お金があまっている「自然派」の不眠症の人が睡眠薬がわりに「サフラン湯」を飲むのを止めはしません。


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2011.07.18 08:03 |  グルメ / お酒  |  おかだ  | 推薦数 : 1

種に注意

 年を取ると嗜好が変わる、とはよく聞きますが、私もそれを実感する毎日です。
 私は子どもの頃には梅干しが嫌いだったのですが、最近ちょっと好きになってきました。で、いろいろ食べ比べてみました。塩分20%のものは塩辛さと酸っぱさで口の中が殴られたような衝撃を感じたので、パス。18%になると塩辛さと酸っぱさはありますが、20%のものほどの“衝撃”は感じません。わずか2%の差ですが、何がそんなに違うのでしょう。で、塩分10%のものは……美味いじゃないの。この美味さをこれまで避けてきたとは、人生の何パーセントを損したのかな?

 しかし、梅干しのパッケージを見て笑ってしまいました。「お召し上がりの際、種にご注意下さい」と表示が。
 もちろん「書かなければならない理由」があるんですよね。
 「種を思いっきり噛んだら歯が欠けた。どうしてくれる」とか「丸呑みしたら種がのどに詰まった。そんな危険な食品を売った責任をとれ」とかの訴訟よけのおまじないなのでしょうか。
 ところで、この表示にもいくらかのコストはかかっているはずです。で、それを最終的に負担するのは結局消費者ですよね。つまり「梅干しには種がある」という“常識”を持った人間たちが、そういった常識を持たない人のために少しずつ金銭的負担を強いられているわけ。
 口ではなくて、脳みその方がすっぱい思いをしてしまいました。


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2011.07.08 06:42 |  グルメ / お酒  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 0

殺菌

 生肉をどうしても食べたいなら、表面を加熱してその部分を切り取ってから中の部分だけ食べろ、ということになりそうです。要するに肉のタタキの芯の部分だけ食べる、ということ。だけど表面からほんのりと芯にまで熱は伝わるでしょうから、本当の意味での生肉ではなくなっているかもしれませんね。ミディアムレアの生肉?(変な日本語です)
 いっそ、放射線殺菌をしたらどうです?  これだったら風味は変りませんし、捨てる部分もありません。もっとも毒素の破壊はできませんから却下でしょうが……って、今の世相では、たぶん「放射線」の部分でアウトでしょうね。

 


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2011.06.07 06:06 |  グルメ / お酒  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 2

牛丼の思い出

 先日久しぶりに吉野屋に入りました。
 「何年ぶりかな」と思いながら昔とあまり変っているようには見えない店の中を見渡していて、医師国家試験前夜のことを急に思い出しました。同級生たちとビジネスホテルに泊まって、「ちょっと夜食でも」と行ったのがすぐ傍にあった吉野屋だったのです。あの時代には、米や牛肉の輸入自由化で日本は騒がしかったり、吉野屋が大発展してから転けてしまったり、いろんなことがありましたっけ。ともかく、その夜牛丼を食ったおかげかどうか、国家試験にパスできて今の私がいます。
 店の中にはカップルや家族連れもいます。昔は男ばかりだったなあ、と思っていたら、「食べたことがないけれど、女一人では吉野屋に入りにくいの。でも、一度行ってみたいのよねえ」と言っていた女の子がいたことを思い出します。今だったら彼女も一人で入りやすいでしょう……って、もしかしてあのことば「一緒に行こう、誘ってよ」というお誘いだった?  うわあ、私の脳みそには遅延回路が組み込まれていて、何(十)年もかかってやっとわかる、ということがあるようです。今頃わかっても、もう完全に手遅れなのですが。
 目の前のカップル、女性が盛んに七味唐辛子の容器を振っています。味噌汁にどばどば、それから牛丼にどばどば。いくら追加料金を取られないからといって、それはかけすぎでは?とちょっとはらはらしながら、昔そっくりの光景を見たことを思い出します。その時には女性が七味をかけすぎて自分では食べられなくなった丼を、男に押しつけていましたっけ。今回は……ああ、真っ赤な牛丼をちゃんとぱくぱく食べています。他人のことながら、一安心。


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2011.05.29 18:44 |  グルメ / お酒  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 0

納豆

 先に白状しておきますが、今回の記事は以前(2009年9月29日)に書いた「ビタミンK」とけっこう重なっています。もちろん新しい部分もありますし、かぶるところも違う書き方をしますので、ご安心を。え、誰もそんな前の記事は覚えてない?

 本文の前に一つ質問。納豆がスーパーの棚からどっと消えたことがありましたね。それは何年前で、その理由は何でしたっけ?

 私が納豆でまず想起するのはビタミンKです。納豆にはビタミンKが大量に含まれているのです。
 世間には「ビタミンKは血液を凝固させる」と信じている人がいるそうです。それは不正確な言い方で、ビタミンKが血液を凝固させるのではなくて、ビタミンKが存在することで血液の凝固因子が合成されるのです(ついでに言うと、普通の状態では凝固因子はふだんは「待機」をしていて、必要になったとき(血管が破れたときなど)に働き始めます)。逆に言えば、ビタミンKが不足したら血液は凝固因子が不足することで凝固しにくくなります。だからちょっとした出血が止まらなくなってえらいことになります。(その典型例が、ホメオパシーの信者の助産師が新生児にビタミンKシロップ(ケーツーシロップ)のかわりにレメディを与えて、結局頭蓋内出血で死亡したとして訴訟沙汰、の山口の例でしょう。ついでですが、新生児全員にケーツーシロップが必要なわけではありません。母乳には最初からビタミンKが足りないから母乳オンリーの新生児だけです)
 よく血栓症の人などに投与されるワーファリン(ワルファリン)は、そのビタミンKの働きを体内で妨害することで血液を固まりにくくしています。逆に言えば、ワーファリンの量以上にビタミンKが体内に存在したらワーファリンは効かなくなります。そして、上記したように納豆にはビタミンKが大量に含まれています。だから「ワーファリンを服用している人に、納豆は禁止」となるわけです。
 納豆にはナットウキナーゼも含まれています。これは俗に「血液をさらさらにする酵素」です。ですから、「納豆を食べたら血液がさらさらに!」。
 ちょっと待って。
 そもそも「酵素」って、何でしたっけ?  基本的に「タンパク質」です。つまり、食べたら消化管で消化吸収される対象で、タンパク質は消化されるとペプチドやアミノ酸になってから吸収されます。食べたタンパク質がそのままの形で血液の中に出現することは、「可能性がゼロとは言わないけれど」と言うにとどめておきましょう。
 さらに「量」の問題があります。薬の場合「過量投与」は副作用の面で大問題ですよね。逆に効かない量を飲んでも意味ありません。で、質問です。「ナットウキナーゼが消化管の粘膜をそのまま通過して血液の中にはいるとして、その至適血中濃度はどのくらいで、それを維持するためにはどのくらいの納豆をどのくらいの頻度で食べればいいのでしょうか?」。さらに言うなら、それを決定するための人体実験は、けっこう大変です。まず二重盲検ができませんし(「納豆と区別ができない臭いと食感とねばねばで、納豆ではない(ナットウキナーゼを含まない)もの」を準備できるでしょうか?)、毎日毎食納豆を食べされられるのは勘弁して欲しい(ナットウキナーゼの半減期が数十時間あれば話は別ですが)。
 私にとって「納豆」は「健康のために食べるもの」ではなくて「好きだからときどき食べるもの」です。それ以上の存在になって欲しいとは思っていません。


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