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「抗ヒスタミン剤」といえば「鼻水の薬」と言いたくなりますが、ヒスタミンのレセプターは胃にもあってそこにヒスタミンが結合すると胃酸が分泌されます。ということは、そのレセプター(H2レセプターと呼ばれます)を遮蔽してしまえば胃酸が出にくくなる、ということで登場したのがH2ブロッカーであるシメチジン(商品名タガメット)でした。現在この薬は大日本住友製薬から販売されていますが、私の記憶では日本に初登場時には藤沢薬品が扱っていた、となっています。当時は200mg錠を一日4回服用するのが結構大変でしたが(現在は400mgずつ一日二回服用です)、とにかく「胃潰瘍が飲み薬で治る」ということ自体が「衝撃体験」でしたっけ。
で、そのあおりを食ったのが、それまでの「潰瘍治療薬」、特にソルコセリルでした。詳しい使い方はもう忘れてしまいましたが、一日1回静脈注射で、1回が1アンプルならトータル40回、1回が2アンプルなら20回、がワンクールだったはずです。
当時の消化性潰瘍治療では「胃内での攻撃と防御のバランス」が重視され、「攻撃因子」である胃酸を効果的に押さえられないから「防御」を上げることで対応しよう、と、粘膜保護剤(いわゆる「胃薬」)や肉芽形成が強いソルコセリルが医者には愛用されていました。しかし、タガメットの登場で医者が「ソルコセリル!」と言う機会は激減しました。飲み薬で治るのだったら、毎日注射に通いたい人はあまりいません。
タガメットは一時我が世の春でしたが、生者必滅栄枯盛衰、後から出てきたザンタックやガスターにその座を奪われてしまいました。だって、服用する回数が一日に二回で効果はタガメットと同等あるいはそれ以上なのですから、飲みやすい方に飛びつくのが人としては自然です。
やがてH2ブロッカー自体がもっと制酸効果の強いPPIと呼ばれるグループの薬に、その地位を追われることになります。
べべんべんべん(琵琶の音のつもり)。
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