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「高地トレーニング」ということばを初めて聞いたのはいつのオリンピックの時だったでしょうか。ニュースをラジオで聞いて「なんで高知県で合宿?」と下手な解釈をしたらその直後に「酸素が薄い環境で心肺機能を増強させる」と聞いてやっと「高知」ではなくて「高地」とわかったのは、秘密です。(私が聞いたニュースが「高所トレーニング」と言っていてくれたら、(少なくとも県名とは)間違えることはなかったでしょうにねえ)
そう言えば、「高病原性鳥インフルエンザ」という名称を初めて見たときにも、私のひねくれた目は「高原性鳥インフルエンザ」と読もうとして「そんな言葉は医学的に意味を成さないだろう! 高原に住む鳥だけインフルエンザになるのかよ」と主張する脳と喧嘩してくれて、困りました。
ところで、医学の世界にはちゃんと「高原」があるのです。「脛骨高原骨折」です。
脛骨は、読んで字の如し、脛(すね)の骨です。弁慶の泣き所が有名ですが、膝から足首までの太い骨です(下腿には脛骨のほかにもう一本「腓骨」という細い骨もあります。こいつは脛骨とは違ってちょっと触りにくいのですが、下端は外くるぶしです)。で、脛骨の骨折はいろんなところで起きますが、その中でも特に一番上の方、膝関節の所での骨折を「高原骨折」と呼ぶのです。
※「膝の骨折(脛骨高原骨折)について」(三重県立志摩病院)にわかりやすいイラストがありました。
これは素直にそのまま「高原」と読みます。ギアナ高地が細長く上に伸びて、その天辺にひびが入った、だから「高原部分の骨折」といった発想かな?(これはエビデンスなし、私の想像です) 固定することで骨折自体は治っても、軟骨が傷んだり関節面のすり合わせが微妙にずれて後遺症が残りやすい骨折だそうです(車のエンジンだったらばらして部品同士を摺り合わせたくなるところですが)。
なお、脛骨の“高原”の反対側が折れた場合には「脛骨遠位部骨折」とか「足関節内骨折」とは呼ぶけれど、「脛骨低地骨折」とは言わないようです。
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