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2010.09.06 06:48 |  診療  |  その他(医療関連)  |  社会・歴史  |  おかだ  | 推薦数 : 2

もうちょっと入院を

 「治療は一応終了したので退院して良いですよ」と言われて、喜ぶ人と喜ばずに「もっと入院していたい」と抵抗する人がいます。前者は話がシンプルですが、後者は事情が色々。
 単純に「自宅より病院の方が好き」という人はさすがにあまりいませんが(皆無ではありません)、「病院だったら食事が出るから(自宅だと食事の支度が大変)」という人もいれば「生命保険で入院費が出て“儲かる”から、もうちょっといたい」という人もいます(最近はあまり聞かなくなりましたが「入院期間が○○日以下だと入院保険の支払いはゼロ」という契約なので「最低○○日以上」入院したい、という要求は以前はけっこうありました)。すごいのは「家を新築したので、病人のにおいをつけたくないから、しばらく病院に置いてくれ」というのも。
 この前は、私の同僚が経験したのですが、「もう退院ですよ。おめでとうございます」に対して、患者の家族が「それは認められない。あと1ヶ月入院を継続するべきだ」と強硬に主張したのだそうです。ところがその理由がよくわからない。どうもその家族本人が、患者の入院時に「入院は○○日」と思いこんだらしく、それをきちんと完遂するべきだ、との主張のようなのです。ところが面白いことに、その家族自身は生命保険会社に勤務しているとのこと。あれれ?  “不必要な入院”に対して医者の所に押しかけて(あるいは調査会社の人間を差し向けて)「本当にこれだけの入院が必要だったのか?」「入院したときの状態と入院中の経過と退院したときの状態について詳しく述べよ」と診断書を書いているにもかかわらず重ねて要求する(そして医者の時間を奪いさる)のが“お仕事”の一つではありませんでしたっけ?
 入院の必要性という医学的なことに関しても、「自分の判断の方が医者の判断より優越するべきだ」と主張する人が世間に多いのは、興味深い社会的現象に思えます。


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