「尻切れトンボ」……安定飛行ができないはず
「尻がこそばゆい」……ギョウ虫がいるらしい
「尻込み」……全人的医療にはもちろん尻も込みである
「尻に帆をかける」……陸に上がった帆船乗りの逃走
「尻に敷く」……座布団
「尻を割る」「尻が割れる」……最初から割れている
「言葉尻」……「文字通り」が好きな人の大好物
「尻を拭う」「尻ぬぐい」……最近はお尻洗浄トイレの普及で肩身が狭い
「尻をまくる」……大臀筋をまくるには、解剖の知識と筋力が必要である
「尻に火がつく」……おならは実は可燃性ガス
「目尻」……四つ足歩行をしていた頃にはたしかに後ろ方向だった
「尻目」……妖怪の一種
「尻を押す」……昔の国鉄の駅には「尻押し屋」(国電乗客尻押し係)が実在した
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動物園についての本(*1)を読んでいたら、日本で最初の動物園は明治15年(1882)に発足したが、管轄は内務省と農商務省だった、と紹介されていました。(そして4年後にはなぜか宮内省に移管、天皇家の動物を管理していましたが行き詰まり、1924年に東京市に下賜されて現在の上野動物園になっています) 役所が全然違うんじゃないか、と私には思えます。
「動物園」とは本来「Zoological garden」(動物学の園)です。もともとの始まりは特権階級が自分のコレクションとして集めた動物たちが、革命などで一般公開されるようになり、さらに啓蒙主義の流れで博物学の重要な構成要素(施設)となって、今に至る、というわけです。ところが日本ではこっぽりと「学」が落ちてしまいました。まずは、表面だけは博物学を真似て「博物館附属動物園」の形でスタートしますが、ホンネは「どうせ見せ物だ、商売にしよう」と内務省と農商務省が手を出し、それがうまくいかないので、特権階級のコレクション、というところを真似て宮内庁管轄にしてみたがそれもうまくいかない。だから下々に丸投げ、という流れのようです。だから名前も「動物学の園」ではなくて「学」のない「動物園」。(だからこそ、志のある各地の動物園は「動物学」の学習・教育・展示ができるように日本における「動物園」の新しい形を模索して苦労しているのですが)
「博物学」と言うとなんだか古めかしく感じる人もいるでしょうが、これは「近代科学の基盤」です。世界に存在するありとあらゆるものを収集し、それを人間の目と考えで分類をする。そこからその「学」が世界をどう見る(研究する)かが決定されます。つまり、「収集」と「分類」がベースとなって、その上に「研究」が成立するのです。そして、近代医学も博物学の影響を強く受けて育っています。医学の教科書が網羅的分類的であることを見たらそのことはすぐわかるでしょう。(だから、科学におけるリンネ、医学におけるシデナムの存在が重要なのです)
そうそう、「医学」と「博物学」と言えば、江戸時代後期に来日したフォン・シーボルトも「医者」で「博物学者」でしたね。(*2)
「新成長戦略の重点「クール・ジャパン」」(朝日新聞)
私はアニメや漫画は、現時点で世界に誇る「日本文化」だと思っています。しかし政府から見たらそれもまた「輸出促進」のためのモノでしかないようです。経済産業省がアニメに口を出すのは、ちょうど明治時代に「動物園」を農商務省が管轄したのと同じ発想でしかありません。「文化」をそのように「銭」の観点からしか見ない態度では、明治〜昭和時代に中途半端な見せ物の立場に貶められてしまった動物園と、同じ立場にアニメや漫画がなってしまう……心配はいらないでしょう。政府が何を言おうが、変に暴力的な規制をしない限り、世界と通じた舞台でアニメや漫画は政府は無視して独自に動き続けるはずですから。それがネット以前と以後の「世界」の大きな違いです。
ただこういった「銭にならない」部分(=「学」や「文化」)の重要性を理解できない(「動物園」に「学」だってぇ?」の)お役人などが“活躍”するから、日本の医療崩壊が進んでしまったとも言えそうです。だって「医療」にも銭にならないもの(「人間の尊厳」「学」「死生観」など)がたっぷり含まれているのですから。
「銭にならない部分は軽視する」が日本の行政の「伝統」なのだったら、これはもう仕方ありませんが。
*1)『動物園というメディア』渡辺守雄 ほか 著、 青弓社、2000年、1600円(税別)
「日本の動物園」について、イデオロギー的な分析から始まり、最後には「メディア」として何を発信していくか、を多角的に論じています。
*2)『シーボルトの日本報告』栗原福也 編訳、 平凡社(東洋文庫784)、2009年、2800円(税別)
シーボルトを中心とした書簡集です。彼はオランダ政府の公費で博物学の研究をおこなったため、その報告書やオランダ東インド総督府との事務的な往復書簡が公文書として残されていました。その紹介です。
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