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2010.05.07 18:23 |  診療  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 1

風邪・胃痛

 学生の時によく出入りしていた基礎系の教室で教授に、「行きつけの中華料理屋の料理長は、すごい高級料理店で修行した人なんだけど、町で店を開いたら『毎日注文されるのは酢豚と中華丼ばっかりで、せっかく修行した難しい料理を注文してくれるお客が来てくれない』と嘆いている。医者も似たようなもので、僕が小さな病院にいたときには、毎日来るのは風邪と腹痛だけだった」などとこちらの未来への意欲を減退させるような話を聞かされたことがあります。

 ということで(どういうこと?)、今日のお題は「風邪」と「胃痛」。

 昔から時々、「風邪です」と医者にかかったら「それを決めるのは医者です」としかられた、という投書やネットでの書き込みを見ることがあります。もちろん「患者を怒鳴りつける医者」なんて碌なもんじゃありませんが、ただそこにも「一分の理」はあります。
 医者の立場から説明すると、二つ理由はあります。
1)「風邪」と言うだけで黙ってしまわれると困る。鼻風邪、のど風邪、咳の風邪、それぞれ薬は違うから「風邪です」ですませないで、「どんな風邪か」をどんどん説明して欲しい。
2)「風邪ではない病気」のこともあります。その場合「あなたはたぶん風邪ではありませんよ」と言うとそこで「自分は風邪だとちゃんと判断してきたのに、それを軽々しく否定するのか。お前は自分が医者だと思って患者をバカにするのか」と怒り出す人がいます(実話です)。ですから出発点を「風邪」ではなくて「症状(鼻水とかせきとか)」にしておきたい。

 「胃の痛み」も同じです。「心窩部痛=鳩尾(みぞおち)の痛み」は多くの人によって「胃が痛い」と表現されます。それは「間違い」とは言えません。たしかに心窩部には「胃」がありますし、その場所が痛んでいるわけですから。ただ、問題が。まず心窩部にあるのは「胃」だけではありません。右からは肝臓が張り出しているし腸もぐにゃぐにゃとそのへんをのたくり回っているし奥の方には膵臓もあります。さらに痛みを感じる場所に痛みの原因がない場合があるので油断ができません。たとえば下腹部や胸からの痛みの投影があります(専門的には「関連痛」と言います)。
 「盲腸(虫垂炎)」のとき、まずみぞおちが痛んでそれから右下腹部が痛くなった経験を持っている人は多いはずです。これは腹の中の自律神経が鳩尾のあたりに集中しているので、とりあえず腹の中のどこが痛んでもその痛みが神経を伝ってみぞおちに投射されるからです。さらに胸の病気から心窩部痛を感じることがあります。たとえば、狭心症や心筋梗塞です。「『胃』が痛いから診てもらっているんだ。それとは関係ない胸のどきどきのことは言わなくて良いだろう」なんて判断をされてしまうと、間違いの元になります(もちろん「胃」ばかり見つめた医者が免責になるわけではありませんが)。ですから「関係ある」「関係ない」の判断はとりあえず医者に任せて、自分が感じていることはとりあえず全部言っておいた方が、結果が吉につながることが多いです。


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2010.05.07 07:20 |  その他(一般)  |  その他(医療関連)  |  社会・歴史  |  おかだ  | 推薦数 : 1

口蹄疫の“先人”

 偶蹄目がかかる病気の中では最も感染力が強い病気だそうです。家畜の死亡率は高くないし人への伝染もあまりない病気ですが、家畜の生産性が激減するし、何より困るのが畜肉の出荷停止や輸出禁止処分をくらうことです。
 今は便利な時代で、新聞のサイトで「口蹄疫」で検索をかけると、それ関連のニュースがずらりと並びます。ためしに朝日新聞でやってみると、3月に「中国で口蹄疫」のニュースがあり、ちょっと間が開いて4月20日に「宮崎で黒毛和牛3頭に口蹄疫感染の疑い」が登場します。で、ニュースを並べてまとめようかと思っていたらありがたい“先人”が。ネットのあちこちで見かけますが、もとは2ちゃんねるでしょう(ずぼらで確認していません)。興味のある方は「「31行」でわかる政府の口蹄疫感染対策」で検索をしてみてください。ここでもそのまま使わせてもらいます。感謝。


===引用はじめ===

「「31行」でわかる政府の口蹄疫感染対策」
4/20 宮崎県で10年ぶりに口蹄疫感染確認。農水省、日本産牛肉輸出全面停止
政府、口蹄疫の疑似患畜の確認及び口蹄疫防疫対策本部設置
赤松農水相、宮崎選出の外山いつきから消毒液が足らない報告を受ける
4/21 政府から指示なし、仕方なく現地で対応。消毒薬は現地の組合が用意したが不足
4/22 農林水産副大臣「現場の状況について今初めて聞いた」
4/25 殺処分の対象が1000頭を突破、過去100年間で最多を記録
4/27 東国原知事、赤松農水相や谷垣自民党総裁に支援要請
4/28 国内初の「豚」への感染疑いを確認
約70km離れた宮崎県えびの市からも感染が疑われる牛を確認。移動・搬出の制限区域を鹿児島県の一部にも拡大
自民党口蹄疫対策本部長の谷垣総裁、現場視察
4/29 農林水産副大臣が宮崎県出張。現場には入らず生産者への面会もなし。27日に知事が上京した時にした話を再び聞く
4/30 自民党口蹄疫対策本部、政府に42項目の対策要請を申し入れ
対応を予定していた鳩山総理・赤松農水相は当日になって予定をドタキャン
夕刻、赤松農水相、南米へ外遊
自民党、政府に6日7日の委員会開会を要求。政府は拒否
民主仕分け組:口蹄疫により被害を受けた畜産農家に融資を行う中央畜産会を仕分け
自民党口蹄疫対策本部、党本部で記者会見
「10年前の感染の際はただちに100億の予算が確保され対策がなされた」
「ところがこの段階になっても国から宮崎県には一箱も消毒薬が支給されていない」
「この状況で農水大臣が外遊するとは自民政権時代からすれば前代未聞」
「国からは消毒液一箱も届かず。国があたかも配ったように報道されているが、まったくの誤報」
5/1 宮崎県、自衛隊に災害派遣要請を行う。家畜の殺処分は8000頭超へ
総理、熊本県水俣慰霊式に出席。宮崎はスルー
5/2 1例目のウイルスがアジア地域で確認されているものと近縁であることを確認
5/3 宮崎県、感染17例目確認 殺処分9000頭突破
5/4 宮崎県、感染19例目確認 殺処分27000頭突破
総理、普天間問題で沖縄訪問。宮崎はスルー
舟山農林水産大臣政務官、デンマークに出張
5/7 小沢幹事長、宮崎県訪問。『選挙協力要請』のため東国原知事と会見予定
5/8 赤松農水相帰国予定
5/9 舟山政務官帰国予定

 

===引用ここまで===

 

 昨年の新型インフルエンザの時も感じましたが、政府の“腰の重さ”はもう“持病”なんですかねえ。単に腰が重いのか、基本的な戦略がないために動けないのかはわかりませんが。それとも新型インフルエンザの時に「医療機関にワクチンを高く卸した」のと同様、「畜産農家に高く消毒液を卸せる」のだったらてきぱき動いた?  あ、お役所が違ってましたね。たぶん体質は同根でしょうが。
 なお、日本では92年ぶりだった前回(平成12年)の口蹄疫流行は、発生から終息まで50日かかったそうです(松下忠洋(国民新党)「牛の口蹄疫を素早く撲滅(平成12年に発生)」http://matsushita.chesuto.jp/e343512.html)。今回は4月20日がスタートですから、50日目は6月9日。さて、民主党政府は、自民党政府の“前の記録”に、勝てるのかな?というか、“前例”がある以上、それを上回らないかぎり“より良い評価”はできないことになってしまいますよ。


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