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たとえば国立病院機構を事業仕分けすることになったとして、そのときに病院機構の人に向かって「日本の医療戦略を誰が決めているか不明確」と仕分け人が言ったらどうでしょう。言われた方は目をぱちくりさせて「それはあなた方政府の仕事でしょう?」と返すのではないでしょうか。国家戦略を決めるのは国家の仕事なのですから。
ところが「宇宙」では、国家戦略をJAXAが決めている(いや、決めていない)という“指摘”がありました。
※1)「事業仕分け、JAXA広報施設は「廃止」」(TBS News i)
ニュースによれば、ここで「日本の宇宙戦略が誰が決めているか不明確」との指摘があったのだそうです。それって、JAXAを詰問する材料です? 「日本の宇宙戦略」を決めるのは「日本=政府」でしょう。政府の下部組織であるJAXAではなくて。そうそう、JAXAの事業仕分けをばりばりやったとしたら、その“仕分け”をやった人が「日本の宇宙戦略」を決定したことにもなります。ということで、ここで話は明確になりました。「日本の宇宙戦略を誰が決めているかはこれまでは不明確」だったとしてもこれからは「日本の宇宙戦略を決めるのは、事業仕分け人」なのです。
うわぉ。私たちは、歴史の転回点の目撃者ですよ。
茶化して言っていますが、私は事業仕分けという手法自体は肯定的に捉えています。癒着した政官財の既得権砦を崩すには、現時点ではこれ以上の策はないでしょうから。ただ、事業仕分けはあくまで「国家戦略」の下の“戦術”であるべきで、それ自体が“戦略”にまで拡大適用されてはいけないと思っているだけです。落ち目の企業でコストカッターが社長になったら、ほとんどの企業は縮小再生産の負のスパイラルに陥ってしまうのです。
ところで、官僚や政治家そのものを対象とした事業仕分けはいつ行なわれるのでしょう? ぜひ彼らの「費用対効果」(※1)の評価を聞きたいし、それを問われたときに「全部言い訳から入るんですよ。常に問題意識を持っていただかなければいけないのに、すべての質問にすべて言い訳で・・・」(※2)と仕分け人に言われずにすむ返答が聞けるのかどうか、私は楽しみです。
※2)「科学技術も仕分け、日本の将来とは」(TBS News i)
「全部言い訳から入るんですよ。常に問題意識を持っていただかなければいけないのに、すべての質問にすべて言い訳で・・・」(枝野幸男行政刷新相)
オマケです。
「詰問」すればそれに対する返答は「言い訳」になります。穏やかに説明を求める「質問」をすればそれに対する返答は「説明」になります(詰問の場合、対等の立場なら「反撃」もありえますが、「質問」の場合は立場の違いに無関係に普通は「説明」となります)。
自分が聞いたらすべて言い訳が返ってくる、というのはつまり自分は常に詰問をしている、ということになるのではないでしょうか。
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