人類が初めて出会った「甘み」はおそらく果実でしょう。ただし昔の野生の果実は今のほど甘くはなかったはず。人類は、本当に強烈な甘みはおそらく蜂蜜で初めて経験し、ついで果実をいろいろ細工する(乾す、あるいは煮つめる)ことで甘みを増して「甘露甘露」と味わっていたはずです。
サトウキビからの砂糖生産は紀元後になってから。世界で初めての人工甘味料が登場したのは1878年化学者コンスタンチン・ファールバーグによる「サッカリン」です。サッカリンは砂糖の約300~400倍の甘みを持つため、現在でも人気の人工甘味料です。ただし日本では「発ガン性がある」として1973年から一時発売禁止となりました。ちなみにその「発ガン実験」は、ラットの膀胱にサッカリンの錠剤を埋め込んだら雄にだけ膀胱癌ができた、というなにやら非現実的な結果です。(なんだかとっても“健康に悪そうな実験”なのですが、対照実験として別の錠剤なども埋め込んで見ているのでしょうねえ?)
サッカリンは現在は復活していますが、そのころやはり発売禁止となった人工甘味料に「チクロ」があります。これは、駄菓子・粉末ジュース・漬け物・缶詰などに広く使われていたそうで、私も子供時代にはずいぶんお世話になっているはずです。砂糖の数十倍の甘さしかありませんが、後味に癖のない自然の甘みで、人気商品だったそうです。懐かしさとともに、禁止になっているのはちょっと惜しい気がします。
ちなみに、ズルチンは大量に摂取すると中毒を起こすので、これは禁止になってちっとも惜しくありません。
参考サイト:「人工甘味料の功罪特集記事 (人工甘味料の歴史)」
参考図書:『砂糖のイスラーム生活史』佐藤次高、 岩波書店、2008年、3200円(税別)
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