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大阪府泉佐野市がたばこ自動販売機1台で15億円の税収、市は業者に報奨金1.5億円」(ウィキニュース)

 市町村たばこ税は販売された住所地で納税されるので、書類の操作で一台の自動販売機の住所地に他の売り上げを集中させて納税、すると「報奨金」という名称のペイバックが泉佐野市からその業者に、というカラクリなんですね。読んだ瞬間の感想は「書類上は合法かもしれないけれど、実態を反映していないし、巨額の金額をこっそり動かすのはずるい」でした。

 そういえば昔は田舎の国道沿いによく「タバコは市内で買いましょう」という看板が出ていました(もしかして、今でもそうやって“販売促進”をやってます?)。市役所の人と話をする機会があって聞いてみると、その市のたばこ税は、その市の主力産業である農業の所得税総額よりも大きな金額なので、よその市でタバコを買われるのは市の財政には死活問題になるのだそうで……
 で、そのときついでに「先生、タバコは市内で買って下さい」とお願いされてしまったのですが、当時私はもう禁煙していたので協力はできませんでした。まあ、住民税はきちんと納めていたから良いんじゃないかとは思いますが。
 たばこ税の存在は知っていましたがそれは国庫に入るものと思っていて、タバコを買えば市の財政が直接潤う、というのはそれまで知らなかったのである意味軽いショックでしたが、もう一つ、農家の納税がタバコ以下というのもショックでしたね。ズルだと許せませんが、ズルでないとしたら日本の農業が心配、ということで、どちらにしても日本の現状を憂えてしまったのです。


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2010.03.13 06:55 |  診療  |  仕事 / 職場  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 1

毒をもって毒を制す

 いつもの20世紀の思い出話ですが、年代は1980年代のいつかです(残念ながら下一桁が何年かまでは覚えていません)。薬局から「抗ガン剤の錠剤を粉末にすることは勘弁してくれ」と連絡がありました。なにごとかと詳しく聞くと「抗ガン剤には発ガン作用がある。錠剤を粉末にする過程で飛び散った粉末を薬剤師が吸い込む可能性があるのでそれを考慮して欲しい」とのことでした。
 抗ガン剤は要するに細胞毒です。ですから健常細胞にも障害を起こしてくれます。それが良く現れる副作用の代表が、細胞分裂が盛んな消化管粘膜の症状(下痢など)や血液細胞の障害(白血球減少など)、脱毛(毛根細胞の障害)、不妊(生殖細胞の障害)です。問題なのはDNAの傷害で、これが発ガン性につながるわけです。癌患者さんの場合には、いくら薬が毒とは言ってもそれを上回る「悪」が体内にあるからそれをたたくことで差し引きしたら“得”になる計算なのですが、薬剤師が抗ガン剤に暴露された場合には“得”は皆無です。
 ところがその時私が使っていた治療のためのプトロコルでは、日本に存在する錠剤では量が半端なためどうしても錠剤の投与量を微妙に加減する必要がありました。今だったら人間と相手の物質とを隔離できる安全キャビネットなどを思いつくでしょうが当時はそんなものはありません。
 私と薬局長はまじまじとお互いを見つめ合いました。さて、どうしたものか、と。二人とも思いついたのは同じことでした。「粉は?」
 調べたらちゃんとボトル入りの粉末が売られていました。粉を調剤する過程でもそれをあたりにばらまく危険性はありますが、錠剤をがりがり砕くのよりそのリスクが少ないのは明らかです。

 この「抗ガン剤による医療スタッフの職業的暴露」が日本で問題になったのは1991年のことで、病院薬剤師会が「抗悪性腫瘍剤の院内取扱指針」を定めたのもその年です。考えてみたらそれよりも前にそのことを当時の薬局長は意識していたわけで、私は田舎なのにずいぶんレベルが高い病院にいたんだな、と今さらながら思います。
 余談ですが、こういう「レベルの高さ」って、なかなか評価されません。ほとんどは見る側の眼力の問題と意識の持ちようによるのですが。「見る目がない人間」は「建物の大きさ」と「人のアラ」「表面的な愛想」と「数字」しか見ませんから。

※抗ガン剤の種類によって違いますが、強いものはアスベスト並みの危険性だそうです。ニュース画面などで見る限りアスベストを扱うときは防護手段を厳重にとります。だけど、薬局や病棟で抗ガン剤を扱うとき、アスベスト並みの扱いをしているところはどのくらいあるんでしょうねえ。


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