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確率は、何かを決定する場合には強力なツールとなります。「(不利な確率に賭ける)ギャンブラーがロマンティストだとすれば、(有利な確率に賭ける)ポーカー・プレーヤーはリアリストだと言えるだろう」はポーカー・プレーヤーであるアンソニー・ホールデンのことばだそうですが(私がこの言葉を知ったのは『数学的にありえない』アダム・ファウアー)、問題は確率だけではありません。「勝つ確率80%の事象a」と「勝つ確率1%の事象b」があれば、普通の人は前者を選択するでしょう。しかし、同じ金を賭けて、返ってくるのが前者は賭け金の1.1倍、後者は100倍だと後者に賭ける人が増えるかもしれませんし、その人がせっぱ詰まって一発逆転が必要な状況だとますます後者を選択する人が増えるでしょう。
さらに賭けるものの価値が高い場合には話はますますややこしくなります。典型的なのは、自分の命がかかっている場合。ある手術が成功する確率が99%と言われたら、けっこう安心できそうな数字に思えますが、それはあくまで「百人同じ手術をしたら99人は成功する」と言っているだけで「“私”が“その99人”に入れること」が保証されているわけではありません。もし入れなかったらそれは“私”にとっては「百パーセントの失敗」なのです。
……ところで、あなたは自分が手術を受ける場合、成功確率何パーセント以上なら受けたいと思いますか?
ところで、あなたは降水確率が何パーセントくらいから雨具を持って出かけますか? たとえばその数字が「60%」だとして、では「あなたの病気の5年生存率は60%です」と言われたら、その数字をどう判断しますか?
参考図書
『数学的にありえない(上)』アダム・ファウアー 著、 矢口誠 訳、 文藝春秋、2006年、2095円(税別)
『数学的にありえない(下)』アダム・ファウアー 著、 矢口誠 訳、 文藝春秋、2006年、2095円(税別)
ただし、この本は数学や統計の本ではなくて、(知的には面白く、お色気は不足している)冒険小説です。お間違えなく。
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