先日院内の栄養サポートチームで「試食会」が行なわれました。「本日のお題」は「咀嚼力が落ちた人のためのきざみ食」です。「メニュー」を見ると十数種類の副食が数口分ずつラインナップされています。
「これ、全部食べるの?」始める前から厭戦気分の私。
「はい、なるべく噛まないようにしてください」やる気満々の管理栄養士。
それはそうですね。あくまで「咀嚼力が落ちた人」のためのメニューなのですから、それをばりばり咀嚼したのでは「試食」の意味がありません。歯がなかったら歯茎で噛むところですが、幸いというかあいにくというか、私には歯がフルセット揃っています。そこで私は歯を使わず、食物を舌で口蓋に押しつけて潰す作戦を採りました。
これ、大変です。ふだん「歯が使えること」がこれほどありがたいこととは思いませんでした。お吸い物の麩はなかなか上手く潰れてくれません、というか、潰れるのだけど破壊がなかなかできないのです。金時豆もくせもの。最初から潰れているのはなんてことはありません。問題はきれいに原形を保っている豆です。これ、皮が丈夫だから潰れていないのでしょうね。だから私の舌にびんびん抵抗してくれます。意外な伏兵は、グラタンでした。タマネギなどの野菜はスジが口に残るしコーンの粒はどうしようもありません。お焦げのところも口の粘膜は持てあまします。
いやあ、食べるだけで疲れました。歯を使わずに食べるというのは、食事ではなくてまるで格闘だな。舌のトレーニングとしては良いかもしれませんが、こんなトレーニングで一体何に挑戦しろと?
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「なるべく噛まないように」というのは、確かに難しいかも。
歯がないといえば、赤ちゃんの離乳食のモグモグ期くらいでしょうか?
案外、赤ちゃんは上手だったりして(笑)
そうなんです、咀嚼力の落ちた人には結局、ベビーフードみたいな食事が一番無難になります。で、おいしくない。
もっとも、若い人、歯の丈夫な人ほど味覚が鋭いという調査結果もあるほどです。ということは、老人になったらどのみち、おいしいと感じる経験は少なくなる???
そんなものを他人様に「食え」と命令する医者は、なんて残酷なんでしょう。もちろんそれには話せば長い理由があるのですが。
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