携帯とかパソコンとかアプリケーションのマニュアルを読んでいて、「わかっている人間のためではなくて、わからない人間のために書いてくれ」と言いたくなることがあります。だけど、「わからない人間」はそんなマニュアルは書けませんし、そんなマニュアルが書けるくらい「わかっている人間」は「わからない人間がなにがわからないか」がわからない場合が多いんですよねえ、困ったことに。専門知識は専門家の“専有物”で、一般人はそれを“日本語に翻訳”してもらわない限り、なかなか理解できないのです。
医療に関しても同様のことは言えるでしょう。昔だったら、専門知識は一般人の手に届かないところにあって、おばあちゃんの知恵とか「家庭の医学」とかで家庭では間に合わせていました。(この「知識の格差」が「専門家の権威」や「傲慢な“専門家”」を産む素地になっていたのでしょう)
現代ではインターネットのおかげで、専門的な医療知識(健康や病気に関する情報)は誰にでもほぼ平等にいくらでも手に入ります。ただ、大きく二つの問題があります。
1)ミソもクソも一緒。ゴミもたくさんで、それを分別するのは大変です。というか、なにが貴重な情報か、何が自分に一番有用か、を判断するのはずぶの素人には手に余ります。
2)リテラシーを持たない人もたくさんいます。たとえば私の親の世代はほぼ全滅でしょう。私の世代もちょっと怪しい。若い世代はネットになじみはありますが、ではリテラシーが上等かと言ったら全員がそうとは言えませんよね。
だったらどうするのが一番望ましいのでしょう。
ハード面では、とにかく全国に情報ハイウェイを引いてしまうことが先決でしょう。ともかく情報に手が届かなければ話が始められませんから。全国のほとんどのところにライフラインが整備されているように、「情報」もそのラインの一部に組み込んで形として全国で情報格差が無いようにしておきたいところです(私が政治家だったらそれを優先課題にします)。田舎は昔の「有線」のように加入者は接続し放題で光ファイバーを張り巡らして、街だったら街灯ごとに公共無線LANスポットを置けないかなあ。
ソフト面が悩ましいところです。たとえば健康情報や「水」情報なんかを見ても、必ず意見が割れます。「これは優良情報」とランク付けするのはそれこそ水掛け論が始まって混乱の元でしょう。ただ「人」が決め手になるのではないか、と私は感じています。「権威」とか「カリスマ」という言葉を軽々しく使うのは私は嫌いですが、「この人は(この方面の判断は)信頼できる」という人同士が緩やかなネットワークをつくってその存在を公表、もちろん反対派も同じように。で、両方を読んで「こっちの方が妥当」と思う方を読者は採用するのです。一々全部を読むのは大変ですから、親切な人に簡単な「まとめ」と道案内を作ってもらって、まずはそこで準備をしてから情報の大海に飛び込むのが、専門知識を持たない人には楽なんじゃないかなあ。
ただ、それをすべて無償ボランティアでやるのは、しんどい。“水商売”の人なんかは自分のサイトに誘い込めばいいでしょうが、善意だけでやっている人には何らかの報償システムができないかなあ。
日本の医療と同じで、「善意で頑張れ」「無償で頑張れ」「死ぬ気で頑張れ」では、破綻するだけですから。
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ヒトは『パンツをはいたサル』(栗本 慎一郎)と言われると「ならサルにパンツをはかせたらヒトになるのか」と言いたくなりますが、もちろんそれは暴論です。できたらシャツも着た方が良い、じゃなくて、ヒトとサルの差はむしろ「毛」にあると言えるでしょう。ヒトより「猿は毛が三本少ない」と言いますが、どうみても猿の方が毛は多そうです。むしろ人は『裸のサル』(デズモンド・モリス)の方が実態に近いでしょう。ただし実際にはヒトにも体毛があります。密度に差はありますが全身ほとんどの部分に。
医学部で習った知識を蘇らせてみると、ヒトの身体の表面で誰でも間違いなく無毛の部分は……まぶた・眼球・唇・掌・爪・足の裏・亀頭……くらいだったかな?
ヒトに限らず哺乳動物には基本的に「毛」がはえています。その機能はおそらく保温でしょうが、ヒトの毛にはあまり保温機能はなさそうです。だったら何のためにあるんでしょうねえ。むだ毛産業を儲けさせるため?
そうそう、「裸のネズミ」なんてのはどうでしょう。正式には「ヌード・マウス」と言うのですが、貴重な実験動物です。もちろん「毛がない」ことが貴重なのではなくて、先天的に免疫機能に異常があって、拒絶反応を示さないことが。ですから何を移植しても受け入れてくれるので腫瘍の研究などには最適なのです。マウスの身になったら、毛はないし腫瘍は移植されるしそれを拒絶できないし、で面白くない人生(マウス生)でしょうけれどね。
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