子どもにDSを買ってやるとき「ときどき私にも使わせること」を条件にしましたら、それは買って欲しい一心ですから子どもはすぐにOKしました。ところがちょうどDSiが出たばかりで全然モノがない。ネットも品切れか定価より割高の値段設定の店ばかり。ヤフオクを見たらモノはあるのですが、明らかに転売目的で仕入れた連中の出品ばかりです。そんな連中を儲けさせるのは業腹だ、と思ってダメモトでトイザらスに電話したら、「明日10台入荷します。7台はもう決まってますが、1台お取り置きしておきましょうか?」。びっくりして声が裏返ります。「お、お願いします。……ところでお値段は?」「はい、定価でお願いします」。喜んで定価でお願いされちゃいました。
で、子どもはほぼ毎日楽しく使っていますが、私は「レイトン教授」くらいです。それも1年に1作と自主規制しているのでなかなか使う時間がありません。現在は3作目の「最後の時間旅行」があと2問のところまで来ているのですが、そこで詰まっています。ネットで“正解”を見ることはできますが、それだと自分で解いたことになりませんしねえ。
で、先日新しい「DSソフト」を入手しました。
「らくらく心電図トレーニングDS ──DSソフトで心電図漬け これで不整脈診断のプロになる」赤石誠 監修・編著、栗田康生 製作協力・出題、メディカ出版、2009年(10年8刷)、7140円
アマゾンではこれは「ゲーム」ではなくて「本」のところに分類されています。だから私も「読書感想」で書きます。
私が心電図の基礎を学んだのは、ゴールドマンの教科書(タイトルはたしか『図解心電図学』)でした。授業では全然理解できなかったのでしかたなく一冊買って冬休みだったか春休みを潰して通読しました。そういえば胸部レントゲン写真の話も全然授業では分からなかったので、フェルソンの教科書を買ったけれど、こちらは英語だったので結局夏休みが全部潰れましたっけ。
こういった「本を読んで学ぶ」方式の難点は、一人でやると飽きることです。特に「自分の頭はどうしてこんなに悪いんだろう」と思いながらやっていると、本当に効率が落ちます。それと、読んだ直後は覚えている(あるいは、覚えたつもりになれる)のですが、しばらく経つと記憶が見事に欠落します。
その点こういった「ゲーム」だったら、これは楽しく覚えられるだろう、いやあ、今の医学生たちはうらやましいなあ、と呟きながらぽちぽちとスティックで画面を突っつこう、という目論見です。目論見でした。いざ始めてみたら、目論見も思惑もどこかにふっとんでしまって、ただひたすら楽しんでしまいました。
まずは基礎の確認。用語と波形の確認です。それからチャレンジモード。要するにクイズですね。心電図波形が表示されて「これはな〜んだ?」。合っても間違っても解説を読み、キーワードを参照してから次の問題へ。初級・中級・上級に分かれていて、最初にまず上級に挑戦したら3問中1問を間違えたので、すごすごと撤退して素直に初級から始めることにしました。「漢字検定」と同じように「楽しくてためになる」ソフトです。ただ、心電図のことを何も知らない人は一応基礎(電極の位置とその意味、など)を学んでから手を出した方がよいでしょう。
私の場合、心電図は、はじめは「リズム、心拍数、P波、PQセグメント、QRS、ST、T、QT時間……」と系統的に考えながら分析していましたが、慣れるとほとんど一目見た瞬間のパターン認識作業になっていました。正常ではない場合に、「どこが正常ではないのか」を系統的に分析し始めるわけ。その点、クイズ形式で次々パターン認識で異常波形をこちらの脳にたたき込んでくれるこのソフトは、実に私に向いたものと言えます。できたら12誘導をざっと眺めたときの異常識別もトレーニングできたら嬉しいのですが、それにはちょっと画面が小さすぎますね。
このシリーズで次に欲しいのは「不整脈以外の心電図異常」です。狭心症・心筋梗塞・弁膜症・心筋症・心奇形・ジギタリス中毒・ミネラル異常・肺の病気……いくらでも“ネタ”があります。ソフトが出たら買います(確約)。
そうそう、読んでいて「欠滞じゃないよ、結滞だよ」と指摘されて私は「あやややや」と叫んでしまいました。医者としての人生を始めた頃にはちゃんと「結滞」と書いていたはずですが、いつの間にか「pulse deficit」に影響されて私も日本語で書くときには「欠滞」と書いてしまいそうになっていました。教科書や辞書もときどき自分のチェックのためにひいてみる必要がありますね。
……それともそれは、私だけの問題?
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とても参考になりました。有り難うございます。
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