冬季オリンピックで私がすぐ思い出すのは、1972年札幌の日の丸飛行隊、そして衝撃的だったのは1992年のアルベールビルでのノルディック複合団体戦です。恥ずかしながらそれまで私は「ノルディック複合」という競技名さえ知らなかったのですが、その後の日本人選手(特に荻原選手)の活躍で「キング・オブ・スキー」という称号の存在も知ることができました。
ノルディック複合はスキーのジャンプとクロスカントリーの「複合競技」ですが、バイアスロンは射撃とスキーのクロスカントリーの複合(競技の元になったのは雪上の猟師?)。そういえばフィギュアスケートも昔は「規定」と「自由」の“複合”だった、と言えなくもないですね。
夏季オリンピックでも、近代五種とか十種競技とかの“複合競技”があります。特に十種競技は「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれてその勝者は「すべての陸上競技に関して優れた能力を示したオールマイティのアスリート」として讃えられます。
ノルディック複合はジャンプと距離ですが、この二つを両立するのは大変です。両方にバランスの良い体型と筋肉と運動能力を確保するためのトレーニングはどうすればいいのか、私にはとても想像がつきません(単独だったらそれぞれある程度想像ができますが、全然異なる競技の「バランス」を考えるのが大変)。まして五種や十種となったら、一体どんなスケジュールでどこをどう鍛えていけばいいのか、想像を絶する苦行だろう、としか言えません。だからこその「キング」なのでしょうね。
ただ、日本ではそういった「複合」はあまり好まれません。「一芸に秀でた人」の方が高評価、という傾向があるように私には見えます。「いろいろの分野に秀でた人」は「どこを褒めて良いかわからない」のかもしれませんし、単なる器用貧乏扱いなのかもしれません。
医学の世界でも、日本では似た傾向があるように思えます。「一芸に秀でた医者」はふつうそれだけで高評価ですが「いろいろできる医者」は「なんだ、“専門”がないのか」という評価(少なくとも「先生のご専門は?」と質問する人はそう思っている可能性が大)です。実は両方存在した方が良いんじゃないかと私は思っています。スポーツだったら人類の可能性が広がるし、医療だったら患者が救われる可能性が広がりますから。
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