人の性格に「素質」が大きく関与していることは間違いないでしょう。ただ、遺伝子以外のものも関係はしていそうです。たとえば遺伝子が共通の一卵性双生児でさえ赤ちゃんの時から性格の違いを見せることがありますから、「環境」も重要でしょう。一卵性双生児の場合は、出生前は「胎内環境」、出生後は家庭環境や地域・学校の環境の微妙な違いです。さらに「偶然」も重要だと私は考えています。極端なことを言えば「人との出会い」はすべて偶然の産物です。動きの糸を辿れば「必然」に見えてもそれは「風が吹けば桶屋が儲かる」レベルの話で、様々な偶然が重なり合って「運命の人との出会い」があるわけで、それがその人の性格形成にとても大きな影響を与えているはずです(「運命の人」と言うと大げさですが、友人や恩師などとの出会いが自分にどのくらいの影響を与えているか(与えていないか)考えてみることはできるでしょう?)。さらに、自己洞察をするかしないかも重要です。自分がどのような性格であるかの評価を行ない、それを変化させるかどうかの決定とそのための努力を行なう(あるいは行なわない)、これによっても性格は劇的に変化します。
そう、私は「性格は変化する(変化させることができる)」論者です。
ですから私は「血液型性格占い」を棄却します。だってあれは「人の遺伝子(のごくごく一部の発現形)」だけしか見ない、ラフで非常に静的なものなんだもの。性格はもっと動的なもの(遺伝子/環境/偶然/自己洞察がダイナミックに絡み合うもの)だと私は考えているのです。
「環境」で一番重要なのは何でしょう。私は幼少時の家庭、特に親子・兄弟姉妹関係ではないかと考えています。
話が十分面白くなる程度に複雑に、しかしこの限られた画面で論じることができる程度に簡単に条件設定をしてみましょう。「夫婦、男三人の兄弟」としてみます。
さて、そこで兄弟の性格設定です。長男は最初の子だから大事にされています(アルバムの写真の数が、上に行くほど多い、はよくある話ですね)。親の期待を感じてか、この子は「賢くて良い子」をやっています。三男は末っ子ですから甘え上手。親も末っ子だからと甘やかしがちです。
では、真ん中の子にご注目。親の愛を獲得するために彼はどういう戦略を採るのが有利でしょうか。上や下と同じ路線では成功は望めません。そこにはもう“先客”がいるのです。だったら上下とは違う路線、たとえば活動的でにぎやかな子、なんてのが思いつけます。そうして三人がそれぞれ違う「性格」を発揮できたらそれでその家庭は“安定”します。あとはその性格が助長・固定されるだけです。
……ちょっと話を簡単にしすぎたかもしれません。長男も三男も他の二人の路線を見てそれに影響されて自分の戦略を変更することもありますし、それがまた他の二人に影響を与えます。両親の夫婦関係、およびそれぞれの親が子どもと結ぶ人間関係もまた流動的に変化します。それがまた他の人間関係に影響を与えます。さらに家庭外からの影響(さきほど書いた偶然の出会い)もあります。
ですから、兄弟がいる場合には、その家庭内での人間関係によって形成される基本的な性格が血液型なんぞよりもずっと重要だ、となるはずです。両親が仲が良いかどうか、も見逃せませんが。
いろいろ書いてみましたが、「世の中には固定的な4つの性格パターンしかない」というのはあまりにおおざっぱすぎるし静的すぎる、という私の出発点に変更はありませんでした。これは私の性格論が固定的だからかな?
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