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2010.02.04 18:34 |  生活 / くらし  |  映画 / 音楽 / 読書  |  社会・歴史  |  おかだ  | 推薦数 : 0

水洗トイレ

 昭和30年代〜40年代ころ、私がよく遊びに行っていた友人たちの家のトイレは、大体玄関の脇にありました。当時はくみ取り式だからバキュームがしやすいように道路に一番近いところ、という場所の選択だったのでしょう。こちらはたまにしか行かないから良いけれど、普段使う場合に、もしも玄関に近所の人なんかが来て長話をしていたらどうするんだろう、といらぬ心配をしましたっけ。我慢するのは健康に悪そうですが、玄関に行って「やあ」と挨拶をしてからトイレに入り、ぶりぶりとかじょんじょろとか音を立てるのもどうも気が重い。
 やがて水洗トイレが普及し居室のレイアウトが自由にできるようになったら、こんどは「北側」がトイレの指定席になりました。南側はなるべく快適に過ごす部屋に割り当てて、「生活の裏方」は「裏」に押し込む、ということなのでしょう。
 ルイス・フロイスは『日欧文化比較』で「われら(ヨーロッパ人)の便所は、家屋後方の人目につかないところになければならない。彼ら(日本人)のは家屋の前方にあり、みなに開放されている」と書いているそうで、16世紀堺の発掘でもそれが裏付けられている(町屋のトイレは表通りに面した入り口付近に設置されている)そうです。(*1)
 もしも「日本の伝統を重視する」と主張するのだったら、やはりトイレは表に出した方が良いのかな?

 トイレのことを昔は「厠」と言いますが、これはもともとは「川屋」だったという説があります。つまり、川に作られた排便施設。それが川の上に(まるで橋を架けるように)作られたのか川の縁に立てられたのかは別として、わざわざ川に作る以上それは「水洗トイレ」だったはずです。
 藤原京や平城京からの遺構からは、大きく掘られた坑の上で排便するタイプのぽっとんトイレ以外に「水洗トイレ」の跡も見つかっているそうです。大路の両側に側溝が掘られて水が流れているのですが、そこから脇溝を屋敷の中に導いて、塀や垣根の内側で、その溝の上で排便するタイプです。で、そのあとその溝はまたもとの側溝に流れ戻ります。(*1) え〜、なんと申しましょうか、都の衛生環境を考えるとなかなか大胆なトイレです。屋敷の中のことだけを思えば、合理的な設計ではあるのですが。


*1)『水洗トイレは古代にもあった ──トイレ考古学入門』黒崎直 著、 吉川弘文館、2009年、1900円(税別)



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2010.02.04 06:55 |  診療  |  その他(医療関連)  |  社会・歴史  |  おかだ  | 推薦数 : 1

サリドマイド

 医局で昼飯を食っていたら突然院長に「サリドマイドって、今は何に使ったっけ?」と聞かれてしまいました。えっとぉ……と私。たしか血液疾患に使うようになっていたはずだけど、とうろ覚えで返事をしながら自分のコンピュータに「サリドマイド」で検索をかけますが、たいしたファイルが出てきません。(ついでですが、Macだとハードディスク全体の検索が非常に素早く(1秒くらい、あるいはそれ未満で)できるのでこんなときには楽です)
 しかたないので『今日の治療指針2008』をひきました。質問があって約1分後に「先生わかりました。多発性骨髄腫とハンセン病です」と返事ができましたが、かつての悪名高い睡眠薬が、今は意外な使われ方をしています。ハンセン病は未経験ですが多発性骨髄腫は昔治療で苦労したことがあるのでまた暇があったら調べてみたくなりました。ブログのネタになるかもしれませんし、というか、今ネタにしちゃいましたが。

※『今日の治療指針』では、ハンセン病では「らい反応」に、多発性骨髄腫では「再発・再燃・治療抵抗性のもの」に使うようになっていました。なんだかやたらと難しい条件で縛られているような気がします。ちなみにどちらも保険外。

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