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 「たばこの警告文、喫煙増やす逆効果の可能性=研究」(ロイター)
 記事で紹介されているのは「Journal of Experimental Social Psychology」に掲載された論文で、研究対象はたばこを吸う心理学専攻の学生39人。結論は「一般的に、死に至る危険性を指摘する警告文が箱に書かれているのを見ると、その反応として、リスクのある喫煙習慣を続けようとしてしまう」。
 各国でたばこの箱には警告文が印刷されていますが、その文章の表現によってその効果に差がある、ということになりそうです。「これを吸ったらお前は死ぬぞ」といった直接的なものより「「喫煙により、あなたの魅力が失われます」や「喫煙はあなたや周りの人々に大きな損害をもたらします」といった文で、死のリスクとは結び付けずに警告する方」が「それなら、やめようかな」と思わせる効果が高いそうな。
 格好を気にする人の場合「吸ったら死ぬぞ」で禁煙するのは要するに「脅しに屈服した」ことになってそれは非常に「格好悪い」態度でしょうから、むしろ「死ぬだとぉ?  どうせ人はいつかは必ず死ぬんだ。だったら煙草を喫って、何が悪い、どんどん吸うぞ」になるのがオチ。
 きつい言葉が頑なな態度を誘い出す点で、私は「北風と太陽」を思い出します。別に太陽になれと言うわけではありませんが「脅し」よりは「情報提供」の方がまだ煙草の消費量減少には効果的、ということになるのでしょう。

 ちょっと専門的になりますが、「認知的不協和」という言葉があります。
>>人が自身の中で矛盾する認知を同時に抱えた状態、またそのときに覚える不快感を表す社会心理学用語。アメリカの心理学者レオン・フェスティンガーによって提唱された。 人はこれを解消するために、自身の態度や行動を変更すると考えられている。有名な例として、イソップ物語のキツネとすっぱい葡萄の逸話が知られる。(Wikipedia「認知的不協和」)

 ここで初っぱなに挙げられているのが、「「喫煙者」の不協和」の例です。古くから「この現象」は広く知られているということなのでしょう。

 余談ですが「キツネとすっぱい葡萄」、イソップではなくて私が最近読んだラ・フォンテーヌの寓話の方では「ぐちをこぼすより、強がりを言う方がまだ良い」となってました。認知的不協和にも“良い点”はあると考えられたのでしょうか。


 警告文以外で喫煙率を下げるために使う方法として「煙草の増税」があります。
 一般に「日本の煙草は安い」と言われていますが、それに関連して「たばこ税は「率」で見る限り先進国の中では平均的なレベルだ」というニュースを見つけました。

日本のたばこ税、先進国の平均=価格はG7中最低−WHO報告」(時事)
 世界保健機関(WHO)の発表です。「2008年時点でたばこ1箱当たりの販売価格に占める税金の割合は、日本の場合63%で、先進国全体の平均と同じ。1箱当たりの販売価格(米ドル換算)は、日本は3.31ドルで、先進7カ国(G7)で最も低かった」とのこと。

 「税金の率」と「販売価格」で、“分母”を「先進国」と「G7」と意図的に変えてしかも「率」と「額」という性質の異なる数字を並べて見せるのは、何を表現しようとしている(何を隠そうとしてる)のかはわかりませんが。もしかして「日本でこれ以上税率を上げたら、価格がG7の中で突出するぞ」という主張かな。それはありませんね。たとえ一箱1ドル上げても、まだ米国にも届きませんから。(私はこの記事で紹介されている、米国は日本より「たばこ税率が低い」「たばこの値段が高い」の二つの事実から「アメリカのたばこ産業は儲けている」と読みました。この読み、正しいかな?)

 20世紀に見た試算では、増税で煙草一箱を「千円」にしたら、喫煙率はどんと下がるけれど、税金がどんと増えたおかげで税収入はさほど変わらず(だからお金の“収支”はとんとん)、煙草が原因の病気が激減することで医療費は減るから結局日本は“お得”、という結論が示されていましたっけ(煙草農家の減収の問題は生じるでしょうがこの試算では触れられていませんでした)。
 ただこういった強制的(政策的)な禁煙誘導策は、たとえば「闇煙草」を出現させるかもしれません。あるいはもしかしたら、昔々にあった煙草の1本売りやシケモク拾い(捨てられている吸い殻を集めて“再利用”する)が再登場するかもしれません。ただ、私も町内清掃の時にはけっこうな数の吸い殻を拾いますから、それを誰かが自主的にやってくれるのなら手間が省けて助かるんですけどね。妙な病気が流行ったら困りますが。

 ……ところで、煙草税率が先進国の平均ということに何らかの「意味」があるのなら、日本の医療費もせめて先進国の「平均」に行って欲しいなあ。医療崩壊に関して「医療コストが先進国の平均と比較して」なんてことを言うマスコミって、今までどのくらいいましたっけ?  G7でも良いですよ。



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2009.12.10 07:04 |  映画 / 音楽 / 読書  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 1

脂肪への憧れ

 形は個性豊かですし大きさ(小ささ?)もさまざまですが、思春期を過ぎた人間の女性には「胸」があるのが普通です。私も思春期を過ぎてからそのへんを意識して悶々とした時期もありましたが、医学部に入って愕然としました。
 「ほとんどの若い男性はそれと気づかずに情熱的にトリグリセリドにあこがれる。トリグリセリドは女性のバストとヒップに特有の形状を与える。脂肪は皮下・腹部など体内で主にトリグリセリドとして蓄積されるので、からだの長所と短所をあらわしている。適所に適量がある場合は素晴らしく、蓄積しすぎると幻滅する醜さを呈する。」(『天才と分裂病の進化論』デイヴィッド・ホロビン 著、 金沢泰子 訳、 新潮社、2007年(09年5刷)、1900円(税別))


 解剖の実習では、実際に「“あれ”は皮下脂肪のかたまりであるぞよ」ということは身をもってよくわかりました。ただ、知識は知識、感情は感情、欲望は欲望。生きてそのへんを歩いている女性の胸にはやはり悶々としたものを……ああ、青春だ。
 ただ、不思議ですよねえ。授乳機能に脂肪は関係ありません。(雌の犬や猫のお腹を見たらそのことは明らかです。授乳のためには乳腺組織さえちゃんとあれば良いのです) だったら、なにゆえヒトの雌の胸には皮下脂肪が貯まるのでしょう。そしてそれがなぜヒトの雄に脳みそに妙な影響を与えるのでしょう?

 上記の本には「人間の脳も脂肪の塊だ」なんてことも書いてあります。脳の主要成分は水分ですが、次に多いのはリン脂質です。神経細胞間の情報伝達に関係する樹状突起と軸索はリン脂質でできているのです。もしかしたら男の頭蓋内脂肪が女の皮下脂肪と何か共鳴作用を起こしているのかもしれません。

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