「後医は名医」と言います。難しい病気でもタイミングがちょっと遅ければ、診断が付けやすくなりますから“有利”なのです。
もっと遅く、一部の医療裁判のように情報が全部出揃ってからの「後出しじゃんけん」を好む人もいます。あるいは、今年の新型インフルエンザでの防疫やワクチンでのように予防や対策が「後手後手」に回る人もいます。たぶんどちらも「後」が好きなのでしょう。
ただし、こういった「後好き」の人は医療現場では困ります。医療の最前線では使い物にならなくて、後方からごちゃごちゃ役に立たないことを言うだけですから。言うだけなら良いのですが、だんだんその声が大きくなるのが、現場では迷惑です。
なぜ声がだんだん大きくなるか、のメカニズムの一つはこうです。
「言霊」を持ち出すまでもなく、人の言葉には力がありますが、その力は「言葉そのものの正しさ」だけではなくて「それを言う人」に依存しています。たとえば周囲から非常に信頼され尊敬されている人が「これはこうやった方が良いと思う」と言ったら、それがたとえ小さな声でも周囲は喜んで動くでしょう。ところが信頼も尊敬もされていない人間が「これはこうやった方がよい」と言っても周囲は喜んでは動きません。しかたなくことばに強制力(命令とか処罰とか)をくっつけるか、声を大きくすることになります。
「回りが自分の言うとおりに動かない」場合、問題があるのは「周りの人間」だと決めつけるのではなくて、「自分は信頼も尊敬もされていないのかもしれない」としみじみ考えた方が良いかもしれません。後悔する前に。それとも「後」悔もお好きですか?
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