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2009.11.28 17:06 |  生活 / くらし  |  その他(一般)  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 1

割り切り

 ヘッドを洗浄したり、カラーインクが出なくなっても白黒でもいいや、などとだましだまし使っていたプリンターがとうとう限界になったので、新しいのを買いに行きました。店員が熱心に勧めるのは複合機です。
 日本では「たくさんの機能が付いている」ものが好まれます。実は私もその例外ではありません。わが家の電話機にも携帯にもボタンが一杯付いています。だけど、それを使いこなしているかと言えば、とてもとても。

 店頭での夫婦の会話です。「コピーがあれば便利だわ」「年にどのくらいコピーをする?」「……数十枚?」「スキャンは?」「あれば便利だけど……」「使う?」「……」

 もちろんどの機能も「あれば便利」です。でも「無いとたちまち困る」ものでもありません。結局買ったのはプリンター専用機でした。帰宅してから「そういえば貯まっているアルバムの写真を、パソコンに取り込んで整理するのにスキャナーが使えたんだ」と“用途”を思いついたのは、ご愛敬。まあそれは老後の楽しみ(と“次”のプリンターでのお仕事)とします。

 自然界では「機能フルセット」が必ずしも最善の道とは限りません。
 たとえば蜜蜂。働き蜂は生殖能力を欠いています。生殖という“余分な機能”を捨てて身軽になってぶんぶん飛び回って蜜や花粉を集めます。逆に女王蜂は「働く」機能を捨てて「生殖専用」の存在になっています。どちらが重要、とは言えません。どちらが欠けても「蜜蜂というシステム」は成立しないのですから。
 人間の体内でも、たとえば赤血球は核を欠いています。核がないということは“使い捨て”細胞ということです。純粋に「酸素を運搬すること」だけに特化してせっせとお仕事をします。
 働き蜂と赤血球に共通点を探すとしたら「寿命が短いこと」でしょう。それと「“修理”が効かない」こと。蜜蜂が怪我をしたらもうそこでオシマイです。組織の再生能力は持たされていません。赤血球も同様で、100日程度の耐用日数を過ぎたらそのまま破壊されてしまいます。

 「技術者は過剰品質を嫌う」のだそうですが、自然界もまた同様に「過剰品質」を嫌っているのかもしれません。働き蜂という一個の個体に生殖や採集など蜂の生存に必要なすべての機能を持たせるのではなくて、「蜜蜂の群れ」という一つのシステムの中にそれらの機能が分散してあればいい、という“割り切り”。だとしたら、プリンターも「あれもこれも」は不必要、という割り切りで購入すればいいのでしょう。どうしても今すぐ写真の整理をしたいのなら、フィルムスキャナーを買ってきてパソコンに接続する、という手もありますし。


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