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2009.10.26 18:51 |  診療  |  仕事 / 職場  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 3

セクハラ

 「職場でのセクハラ」と言えばどうしても職員間(特に上司から部下、あるいは男から女へ)の行為を思いますが、病院で意外に多いのが患者と職員の間のセクハラです。これは両方向(職員→患者、患者→職員)があります。職員がセクハラをしていることがわかれば、その相手が職員だろうが患者だろうが関係なく処分の対象ですが、ちと困るのが患者から職員へのセクハラ行為です。

 「患者様」と言っている施設だったら、もしかしたら「様」からの行為はなんでも甘受しなければならない雰囲気かもしれません。でもそれはまずいっす。幸い私が勤務する病院は「様」ではなくて「さん」ですので、患者さんからのセクハラ行為もダメです(たとえ「様」であっても、人としてダメなものはダメだとは思いますけれどね)。患者に受けた仕打ちがショックで職員が辞職した、ということがありますが、せっかく育った職員にそんなことでやめられるのは、こちらにも打撃です。

 先日も私の受け持ち患者さんに関して職員からセクハラの相談がありました。
 こんな場合、私はあっけらかんと動きます。最初から「このセクハラ野郎め」と決めつけたり「即刻強制退院だ」と力むのではなくて、まずは情報収集です。もしかしたらその患者さんには悪意など無くてわかっていないだけかもしれません。さらに言うなら、わかっているわかっていないに関係なく、迷惑な行動が改まれば(当事者同士の感情の問題を除けば)当面は新たな問題は発生しなくなります。ですから私の心の中に「これだけは譲れない一線(セクハラ行為はダメ)」はありますが、あとはほとんど白紙状態で問題解決に臨みます。
 具体的なことは企業秘密とします。個々の事例であまりに違いがありすぎるし、対応をあまり細かく書いて、セクハラを本気でやっている人に悪用されても困りますので。
 先日の場合は、結局患者さんの方もショックを受けていました。まさかその行為を彼女が嫌がっているとは思わなかった。笑いながらいやだと言っているから、こちらが冗談でやっていることがわかっているものだと思っていた、と。それが本気なのか、言い逃れなのか、それは私にはわかりません。ただ、もうしないと言う本人の言葉をカルテに記載して、関係者に連絡して、それであとは様子見としました。警報は解除するけれど注意報は継続、といったところです。
 あとは職員の心の傷の問題ですが、これに私が無造作に迫るとそれこそまたセクハラ(あるいはドクハラ)になる可能性がありますので、直属上司に「必要なら臨床心理士のところへ相談を」と言っておいてそこで私は機能一時停止です。こちらのほうも注意報は継続中、ですが。


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2009.10.26 06:56 |  診療  |  医療制度 / 行政  |  おかだ  | 推薦数 : 6

医者のいるべき場所

 私が若かった頃、休日に受け持ち患者さんの容体が急変しました。輸血が必要な状況です。すぐに血液センターから血液を取り寄せ輸血をした、と言いたいところですが、そこで問題が。その病院では当時は検査技師の休日出勤はありませんでした。必要なら、休日用の検査室の鍵を開けて医者が自分で検査をすることになっていたのです。輸血の前には血液型がちゃんと適合しているかどうか、輸血用の血液と患者さんの血液を混ぜ合わせて固まらないことを確認しなければなりません。昔は血液そのものを混ぜ合わせていましたが、現代医療では血球と血清とを遠心分離器で分離させて、患者さんの血球と輸血用血液の血清、それとその逆のパターンで混ぜてみることになっています(だからクロスマッチと呼びます)。
 遠心分離器を回しぽてぽてと液をたらして混ぜ合わせて判定をしながら、私はこう呟きました。「僕は、今ここで試験管をにらんでいるよりも、患者さんの脇で容体を観察しているべきではないのか?」

 先日病棟で患者さんの容体が急変しました。専門科に送るかそれとも点滴で様子を見るか、微妙なところでしたが、様子を見て良くなる確率が高そうな状態だったので私は点滴の指示を出しました。そこで私は患者さんの脇から離れなければなりません。カルテ用紙になぜ点滴をするかの理由を書き、指示簿に点滴の具体的な内容を書き、さらに注射伝票を作成しなければならないのです。それを医者がしなければ、看護師さんは動けないシステムになっています。
 しこしこと文字を書きながら私はこう呟きました。「私は、今書類に文字を書いているよりも、患者さんの脇で容体を観察しているべきではないのか?」

 もちろん24時間医者が患者の脇に立っているべき理由はないでしょうが、ひどく患者の状態が悪いときでも「医者が患者の脇にいるよりも、他に書類仕事などするべきことがある」という主張をする(そんなシステムを作る)人って、一体どんな医療システムを理想としているんだろう、と思うことがあります。自分が倒れたときにも、医者が自分の容体より書類を見ている方が良い、と言うわけですよね。


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