私は、前の病院では院内感染予防、今の病院では医療安全の委員会にいるので、どちらにしても定期的に院内をパトロールして歩いています。チェックリストに従っていろんなところを見たり職員を捕まえて質問をしたりしますが、重要なのがゴミ箱。ゴミがちゃんと捨てられているかどうかは、院内感染からも医療安全からも重要なことなのです。(よその病院でのひどい例で、「燃えるゴミ」を運ぼうとでかいゴミ袋を抱えたら、その中に注射針が捨てられていて、その針先が袋を貫いて抱えた人の腕に刺さった、という話を聞いたことがあります)
院内感染を起こす原因として危険なゴミと言えば、注射針や使い捨てのメスの刃が筆頭にあげられるでしょうが、それが「危険」なのは、「人に刺さるから(人体を物理的に傷つける)」だけではなくて「院内感染を起こす可能性があるものが付着しているから」です。付着しているのはつまり人間の体液です。「危険の本体」は「針」ではなくて「そこに付着している体液(の中の病原体)」で、針はその媒介に過ぎません。尖っていないものでも、病原体がたっぷり付着したものを擦りつけられたり吸い込んだら、そこから感染が始まる可能性があります。
「体液」と言っても、血液・唾液・粘液・消化液・喀痰・尿・精液・膿汁、などいろいろあります。それが付着したものも医療機関の中では、注射針・注射器・ガーゼ・エプロン・カテーテル・手術器具など様々です。それぞれを組み合わせて「院内感染の原因になるもの」をピックアップするのは話が複雑になるだけですから、多くの医療機関では院内感染の原因になる可能性を濃厚に持つ「体液汚染ゴミ」というカテゴリーを作り、人間の体液が付着したものは全部それ専用のゴミ箱に捨てることにしています(さらにそのカテゴリーを細分して「尖ったもの(注射針など)」は別に頑丈な箱(針先が通らないもの)の中に、とすることもあります)。
で、この前のパトロールでゴミ箱を覗いて私が気になったのが「燃えるゴミ」の中に「使用後の紙マスク」が捨てられていたことでした。マスクには体液(唾液や鼻汁、喀痰)が付着しています。したがって定義上「体液汚染ゴミ」です。しかし、それ専用のゴミ箱はやや小ぶりで、職員全員がマスクをそこに捨てたらすぐに一杯になってあふれてしまいます(実際にある部署ではゴミ箱が並んだ隣の床の上に大きめのゴミ袋が置いてあってそこにマスクがどちゃっと捨てられていました。でもこれは環境から隔離されていないのでマズイのです)。
委員会でその話題を出すと、盛り上がってしまいました。特に事務系からは「自分たちは院内感染とは無縁」と思っていたらしくいろいろ質問が出ます。痰や鼻水が付いたティッシュは……やっぱり体液汚染ゴミですなあ。派手にいろいろまき散らす人にはゴミの捨て場を考える前に休んでもらった方が良いかも。でも、そういった人が家庭でマスクやティッシュを捨てるとそれは家庭ゴミです。ゴミ収集の人たちの健康保護はどうなっているのかな、とちょっと気になります。
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日本医療機能評価機構は、その名にふさわしい仕事をしているのでしょうか? 「日本の医療機能」を評価するためには、末端の病院だけではなくて中央および地方の医療行政もきちんと厳しく評価しなければならないはずです。
まさかと思ってホームページを見直してみました。やっぱり「日本医療機能評価機構」であって「日本病院機能評価機構」ではありませんね。
ちゃんと名前通りのお仕事をして欲しいなあ。それとも日本医療機能評価機構という名称の厚労省の下請け機関なのかな。だったら「上」には逆らえないでしょうが、その場合には名称を下請けにふさわしく変更して欲しいなあ。
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