学生時代の産科の授業で「母乳は赤ちゃんにとってほぼ完全な栄養食品だが、唯一と言って良い欠点がビタミンK不足だ」と習いました。ビタミンKは主に「止血」に関係していて、それが不足すると出血しやすくなります。当時、母乳栄養の新生児は人工栄養の新生児より脳出血を起こしやすく、それが母乳による(母乳のビタミンK不足による)、とわかったのです。だったらそこで行われるべきは「母乳非難キャンペーン」ではなくて「ビタミンKの補充」です。母乳哺育の子には産科から退院するときにビタミンKのシロップを飲ませる、それだけのこと。
メカニズムですが、ビタミンKそのものが血管や血液に働いて止血をしているわけではなくて、止血をするのに必要な酵素やタンパクが合成されるときにビタミンKが補酵素として必要なのです。
そういえば納豆にもビタミンKが豊富に含まれています。したがってワーファリン(血液を固まりにくくする薬)を飲んでいる人が納豆を食べるとワーファリンが“中和”されてしまう可能性があります。
もっとも納豆にはナットウキナーゼという「血液をさらさらにする成分」もあるそうで、一体どっちの方が人体では効くんだ、と聞きたくはなりますが。
さらにややこしいのは、ビタミンKがないと合成されないタンパクとして「プロテインC」「プロテインS」というものもあるのですが、こちらは止血の逆、血液を固めない方向に働いているものなのです。もしもプロテインCやSがなかったら(遺伝子の異常でそのような病気(欠乏症や分子異常症(そのタンパクの量は正常にあるが機能が落ちている))が発症することがあります)、その人は全身のあちこちで血が異常に固まって血栓症を起こすことになります。
人体は不思議です。同じ物質「ビタミンK」でさえ、体内では止血に対してプラスとマイナスに使っています。結局大切なのは、バランスなのでしょう。
今日も平凡な結論でした。平凡な人間の平凡なブログですから、こんなものです。
固定リンク
|
コメント (0)
|
トラックバック (29)
昔のぽっとんトイレは、下手すると鼻よりもむしろ目にきました。なにしろ自分の股の下に汚物が直接存在していてそこで発酵しているのですから。今の水洗トイレはその点、ずいぶん衛生的に感じますが、それでもスーパーやホームセンターに行くと消臭剤が山と積まれています。ほんのちょっとのにおい(残り香)でも許せない、ということなんでしょうか。
さて「消臭」にはいくつかのやり方が考えられます。
1)薄める
窓を開けて臭い物質の濃度を下げれば「臭さ」は減少します。
2)何かに吸わせる
活性炭での吸着がその代表でしょう。これは複数の臭い物質に対応できますが、問題はいかに風を通すか、ですね。容器をおいて蓋を開けておくだけでトイレ中の空気がそこに殺到してくれればいいのですが、なかなかそれは望めません。また、ゴミが出ます。ゴミを出さないために「焼いたら再生」だったら良いのですが、一般家庭ではどこで焼くかが次の問題になります。都会の一般家庭で「火」があるのは台所か風呂ですが……まさか台所で、というわけにはいきませんよね。台所に焼けたトイレのにおいが充満するのはちょっと避けたい。
3)化学的手法
臭い物質を他の分子でくるんだり破壊したりして人体のにおいレセプターで感じられなくするやり方です。これは、相手がどんな分子か、がわかっていたら有効ですが対象外や想定外の分子が出現したら無力化されるのが難点です。
4)生体学的手法
別のにおいで鼻を襲って誤魔化そうというやり方です。そういえば昔はキンモクセイが「トイレのかおり」でしたね。
もっとよさそうなのは、鼻のにおいレセプターに別の分子(無臭のもの)を結合させて、悪臭物質の分子がそこにもう結合できないようにするやり方です。「感じることができなければ、無いのと同じ」作戦です。ただ、これはトイレに入る前に処置をしておかないといけません。うっかりそれを忘れてしまうと、悲劇が起きます。
5)我慢する・慣れる
コストゼロ。環境負荷もありません。
固定リンク
|
コメント (0)
|
トラックバック (0)