若い頃に小児科外来の奥でうだうだしていたら、大塚製薬のプロパーさん(当時の呼び名)がやってきました。「薬ではないのですが、こんど新製品を出したので、感想を聞かせてください」と言って取り出したのが「ポカリスエット(粉末タイプ)」。
まだ日本にはスポーツ飲料というジャンルの市場が成立しておらず、メーカーも作ったのは良いけれどどうやって売るか迷いがあったのでしょう。そこで、小児の下痢に対してソリタ顆粒というミネラル補給の「薬」を使っていた小児科に目をつけた、という事情だったのでしょう。私はたまたまそこにいた、というだけのことでお相伴することになりました。何かアヤシイものを見るような目つきで粉を睨み、ちょいとなめてみたら……不味い。プロパーさんがあわてて「お湯に溶いたらいけるそうです」。で、ほかほか湯気の立つホットポカリスエットをぐびり……不味い。
そのときの評判は散々だったのですが、しばらく経ったら日本中どこでも売られるようになり、私も平気で飲むようになっていました。慣れというのはオソロシイ、というべきか、それとも大塚の営業能力を褒めるべきなんでしょうか。
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これまでも「風が吹いた」とか「山が動いた」という表現が使われましたが、今回はどう言えばいいのでしょう。
「天地がひっくり返った」?
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