「診療報酬の抜本見直しを」医師偏在の緩和へ財務省要請」(朝日新聞)
この記事からわかることは3つです。
1)相変わらず(「医師不足」ではなくて)「医師偏在」である、と主張しています。どうしても「日本では医師の絶対数が不足している」ことを認められなくて言葉の言い換えで逃げようとする人がいるようです。
しかし、「現実」が正しく認識できなかったら当然「その現実への対策」は「盛大な的外れ」になるのがオチなのですが。以前も書きましたが日本の「医療崩壊」は「医療“システム”の崩壊」です。ところが「医療崩壊」は「医師偏在」による(医者が悪いからこうなった)、と信じている人は、結局算盤をはじいて細部のつじつまを合わせる(「医者」を弄くり回す)ことにだけ熱中して、医療システム全体の修理や改善や改革は放置します(だってシステム全体をいじるのは難行(各方面からものすごい抵抗を受けるし失敗したら責任を取らされるけれど成功しても褒められない)だからキャリアを大事にする人間としては避けたい。辻褄合わせをこちゃこちゃやるのは楽で時間がたっぷり潰れてしかもいかにも熱心にお仕事をしているかのように周囲に見せられる……欠陥住宅に綺麗にペンキを塗って「どうです。まるで新品でしょう。ペンキを塗るのに私はこんなに汗をかきました」と胸を張っている図です)。
今回の財務省の“方針”も辻褄合わせでしかありません。なーにが「抜本」なんだか。ペンキの材質と配色にこだわっているだけじゃないの。
2)開業医を貧乏にしたら勤務医の勤務環境が改善されると考えている人がいます。
その「考え」を肯定的に捉えるなら「開業しづらくする → 勤務医がだぶつく → 勤務医一人当たりの労働量は減少」というシナリオを描いているのかな、と思います。ところで、病院には医師の定員がありますが、それはどうするんです? だぶついた勤務医を病院がどのくらい吸収できます? それと、開業医を貧乏にすることと病院の収入が増えることはイコールではありません。つまり勤務医の待遇は改善されません。それどころか、求職者がだぶつけば有効求人倍率は下がります。当然募集条件は悪くなります。つまり、開業医を貧乏にしたら勤務医も貧乏になる、が私が描いたシナリオです。(ついでですが、開業医の診療報酬を削減したら、患者の自己負担は安くなります。その結果として、外来患者が病院の外来で「同じ治療なのに開業医より高いじゃないか」と文句を言うことが増えて対応する病院(外来の医者や窓口の事務)の負担が増す/「安い外来」を求めて患者が開業医にシフトして、開業医はかえって忙しくなる(貧乏暇無し)/患者のシフトによって病院の外来は暇になって(でも救急や産科の状況は同じで)、結局赤字が増えて潰れる病院が増加する、なんてシナリオもございます)
結局「医療費亡国論」健在!なんですね。医療費を削減することしか考えられない人が描いたシナリオ。だけど「貧乏にしてやる!」という脅しで、日本の医療を維持し再建するために働く人のどんな熱意や使命感が養われると思っているんだろうか。
3)「医師偏在」「たらい回し」という言葉を記事中に散りばめることで、朝日新聞は政府官僚の提灯を持っています(少なくとも無批判に政府の言い分を垂れ流しています)。
さらに……
>>開業医の平均年収は勤務医より1.8倍以上高く、勤務医をやめて開業医を目指す医師も増えているという。
この文章は「開業医は高年収のみを求めて勤務医を辞める」と読める(印象操作をしようとしている)のですが、これってすべての開業医に対する侮辱では? もちろん人の集団にはピンもいればキリもいますから、単に「金、金」で開業する人もいるかもしれません。しかし、少なくとも私が知っている真っ当な開業医はすべて、この記者が読者に印象づけようとしている偏ったイメージとは遠く離れた存在なんですけどねえ(「金、金」でしか世界を見られない人には、そうとしか見えないのかもしれませんが、それは医者の問題ではなくて「金、金」だけで世界を見る人の問題です)。
あらゆる機会を捉えてとにかく「医者の悪口」を言いたい、というのは、そろそろやめにしませんか? 「金」に対するネガティブな感情(ケチる、あるいは羨む)だけで日本の医療を論じるのはそろそろやめにしませんか?
固定リンク
|
コメント (0)
|
トラックバック (0)
髪をオキシフルなどで脱色するのは、かつては不良の象徴でした。やり方は『積み木崩し』に詳しく書いてあります。(もしかしたら「不良」は死語?)
一般人が髪の毛にメッシュを入れるのが目立つようになったのは、二十世紀末のいつ頃でしたっけ。ツッパリのファッションを一般人が部分的に取り入れたんだな、と私は見ていましたが、やがて部分から全体に広がり、「茶髪」があっという間に世間に広まりました。
「日本人は髪が真っ黒で頭が重たくなるから、ファッションの点からは茶髪の方が望ましい」という意見を読んだ覚えもあります。たしかに「頭が重たい」のは外見のバランスが悪そうです。しかし、一点だけに気を遣うのは、ファッションではアンバランスとなります。
頭髪の色だけ素敵にしても、その他、たとえば眉毛・まつげの色も髪と同じまたは調和した色遣いで、それに瞳の色や化粧や服やアクセサリーや靴もしっかりコーディネートしていないと、なんとなくてっぺんだけが軽い印象になってしまいませんかねえ。(私は別の意味でてっぺんが軽くなっていますが、それは別のお話です(自爆))
固定リンク
|
コメント (0)
|
トラックバック (0)