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 先日後輩たちと会食の機会がありました。同じ丸テーブルに開業医が二人いたので雑談をしていたら、二人とも全然人間ドックなどを受けていないことが判明。
「忙しいし、クリニックを閉めて検診を受けに行くわけにはいきませんよ」
 ここで『医者の不養生」と言うのは簡単ですし、私は医者だからつい偏見を持って見てしまいますが、一般医療ユーザーの立場で行きつけのクリニックが「本日はドクターが検診を受けるから、休診」となることについてはどうなのでしょう。「休まれたら困る」「どんどん行ってほしい」のどちらが正直な反応でしょう。(後輩たちは「休まれたら困る」を予想しているわけです)

 たった二つのサンプルから全体を論じるのは暴挙ですが、それでもやっちゃいます。日本中の開業医で、定期的に休診して健診や人間ドックを受けに行っている人は、おそらくごく少数、と私は予想します。もし“お得意さん”が「長く元気に働いてもらうためには、たまに休診してドックにはいるのはOK」と支持してくれるのだったら開業医たちも休みやすいでしょうが、「勝手に休まれては困る」「その間にもし何かあったらどう責任を取るんだ」と言う人が多数派だったら(あるいは少数派でも“声”が大きかったら)休めないでしょう。(ただし後者の人には、その開業医が病気で倒れた時には「医者の不養生」とは言わないでもらいたいと思いますが。自分たちがそう追い込んだ(少なくともその一助にはなった)のですから)

 そもそも検診を受けたら長生きするか、について私はもの知らずなのでエビデンスを知りませんが、とりあえず検診を受けた方が良い、とします。ところが開業医は受けに行きにくい。
 だったら、健診の方から出かければいい、と私は夢想します。開業医用移動検診車です。普通の検診車ですが、特徴は代診用の医者も同乗していること。
 クリニックの前に乗りつけて「今から1時間くらい休診です」と宣言して、(医者を含む)クリニックの職員全員を流れ作業で検診します。時間の節約のために、採血・採尿や身体計測はその前日までにそのクリニックですませておいてもらいます。だから検診車でやるのは、胸のレントゲン・胃の検査・腹部超音波・子宮癌検診・乳癌検診・骨密度・診察……脳ドックは移動用MRIが普及してからでしょうね。で、代診用の医者はとりあえず診察室に座っていて、「いつもの先生でなくても良い」という人の診察や突発事に対応します。
 問題はコストかな。普通の移動検診よりずいぶん高くつきそうです。規模は小さくなるのに、投入する人的資源はむしろ増えるのですから。さらに代診医も各科(クリニックの種類全部)を揃えなければなりませんから、準備は大変。

 まあ、一番“安く”つくのは診療所のユーザーたちが「勝手に休まれたら困る」ではなくて「自分の健康を守るためにも、ちゃんと検診に行ってくれ(たまの休診ならOK)」とその医者に面と向かって言ってくれることなんですが。


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