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 「医師の育成には国費を投入したのだから、卒業後の行き先も生き方も国が命令して良い。称して計画配置だ〜」、というご意見があります。(しかし、昔の「防人」ですか?  あるいは中華人民共和国の「はだしの医者」。昔のソ連とか今の北朝鮮のような、全体主義的で社会主義的な国だったら、医者の配置も強制的だったのかな。まあ、クメール・ルージュのような「医者と教師は殺せ」よりはマシですが)

 その論の(論理的・倫理的・法理的・合理的)妥当性については別にするとして、もしそれが“正しい”としたらその“正しさ”には一般性がある(医者に限定せずに社会全体に適用できる)はずです。となると、最近気になるエピソードがありました。

 国費で外国に行って、そこで醜態を全世界にさらし、バチカンではさわってはいけない美術品にさわったり立ち入り禁止区域に入って警報を鳴らしたりした人のことです。「国費〜」の論法だと、「国費」を使った以上、「大臣が行くべきところ「行ってはいけないところ」「言うべきこと」「言ってはいけないこと」について「計画的に配置」しておくべきだった、となりません?

 ……しかし、あの旅行1回で、何人分の医者育成費の「国費」を使ったんだろう?


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 県庁の何やらずいぶん長い名称の部局から「DV被害者対応マニュアル 医療関係者向け」という小冊子が配られました。「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)」に基づいて、被害者の第一発見者になりやすい医療機関を啓発するため、でしょう。

 ここで暴力は4つに分類されています。身体的暴力・精神的暴力・経済的暴力・性的暴力。被害者になるのは圧倒的に女性。(ただし、最近読んだ本では、アメリカでは男性の被害者が多く見られるようになってきたそうです。これは「増えた」のかもしれませんが、「マッチョな男」が価値観の上位にある社会では「女に殴られた」とは恥ずかしくて言えなかった男が最近になって口を開くようになっただけかもしれません)
 DVにはサイクルがあります。爆発期(感情のコントロールができなくなり、激しい怒りと暴力が爆発) → ハネムーン期(やさしくなり、暴力を絶対に起こさないと謝罪する) → 緊張の蓄積期(緊張が高まり軽い暴力が始まる) → 爆発期 → ハネムーン期 → → → →
 DVということばが一般的になる前に、腕の良いヒモがインタビューに答えて「殴った後はひたすら優しくするのが女に貢がせるコツ」と言っていたのを私は覚えていますが、DVを長続きさせる(被害者が逃げ出さないようにする)ためにも「ハネムーン期」が重要な役割を果たしている様子です。これを読んでいる人で「彼は私を殴るけれど、本当は優しい人なのよね」と相手を許している人がいるとしたら、こういった「ハネムーン期」で上手く心理操作されているだけかもしれませんよ。「もう殴らない」という約束がこれまでどのくらい長持ちしたか記録してみましょう。

 暴力について聞き出すためのテクニックのほかに、“セカンドレイプ”にならないように「言ってはならないセリフ」の一覧があります。個人の価値観の押しつけ・被害者を責める・他の人と比較する・一方的な決めつけ……いやあ、気をつけないとついうっかりはまってしまいそうな“罠のことば”が並んでいます。

 医療関係者には「守秘義務」があります。しかしDV防止法では、児童虐待と同様、通報によって守秘義務違反に問われることはありません。ただ、児童虐待では通報は「義務」ですが、DVの場合には、(命にかかわるような深刻な事態を除いて)本人の同意が必要です。(「被害者を護るため」という理屈はわかりますが、私は釈然としません。明らかな傷害事件の被害者を目の前にして「本人の了解がないから通報しない」のは、犯人隠匿になりませんかねえ。そもそも傷害って親告罪でしたっけ。特に公務員の場合、犯罪を看過するのは拙いんじゃないかしら)
 ちなみに通報先は、警察(電話は「#9110」)や配偶者暴力相談支援センター(各都道府県の婦人相談所などに設置されています)です。ちなみに、児童虐待は児童相談所(子ども家庭センター)や役所の子育て支援課とか児童課・福祉課です。これ、DVが児童虐待を兼ねている場合もあるし(子どもも殴る、母親を殴る姿を見せることで子どもの心を傷つける、DV被害者が子供に暴力的にあたる)、対応のノウハウや知識を蓄積・共有化したほうが良いでしょうから、窓口を一本化するわけにはいかないのかなあ。縦割り行政は絶対だから、だめ?


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