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 m3のブログ「医師が国政を目指す。」の記事「日経メディカル:英国の医療改革に学ぶ」を昨日読んで「そういえば日経メディカルはそのへんに転がっていたはず」と雑誌を発掘して読んでみました。

 1979年に誕生したサッチャー政権は「小さな政府」を唱えて「医療制度の効率化」を謳い、公的医療機関の競争原理導入と、それまで税でまかなわれていた国民医療への民間企業の参入を行いました。その結果が、不採算病院の閉鎖・医療職の減少・膨大な待機リスト(入院待ち・手術待ち)、でした。さらに国民の健康状態に“地域格差”が生じました。その失敗を受けて97年に誕生したブレア政権は、金をどんとつぎ込むと同時に医療の質向上を目指しての数値目標設定などをおこないました。(この記事で挙げられている数値目標の例は「救急外来での待ち時間が4時間以内」「家庭医への受診が48時間以内」です(イギリスでは家庭医に予約して受診しないと病院には原則として入れないはずですが、それでも48時間ですかぁ)。さらにこの記事では、数値規制逃れのためのあきれるような手口も紹介されています)

 この記事を読んでいて、私は英国と日本とを比較して考えていました。英国では、結果は失敗でしたが、少なくともサッチャーの「小さな政府」という基本ポリシーは明確でした。だから主な医療政策もその周辺の小さな政策もまとめて動かすことができました。で、それが失敗だったとなるとまず一番に行うべきはポリシーの変更です。「大きな政府」を目指すのではないでしょうが、少なくとも「小さな政府」はおしまい。基本が定まれば、メインの政策だけではなくてその回りの対策も整合性を持って改革に対応することができます。
 対して日本。小泉改革でも「医療費削減」が行われましたが、これは「小さな政府」を目指したものではありませんでした。それをにおわせるようなことは盛んに言ってはいましたが結局コトバがたくさん並べられただけで、予算規模や政府の実際の仕事の範囲を見る限り、実際には政府はどこも“小さく”はなっていません。医療“改革”でやったのは「とにかく医療費を削れ」運動のみ。だから政策の舵を切って「医療崩壊を防ぐ」方向に行きたくても、切る舵(変更する基本ポリシー)が存在しないのです。したがって今の政治にできることは、その場しのぎのつぎはぎ細工(金をちびちびちびちび入れる対症療法)だけです。これが私の見た論理的結末です。
 医療改革の結果から見たら私はサッチャーを高く評価はしませんが、少なくとも政治家としては失格ではないと思っています。ポリシーって何?オイシイの? の日本の政治家と比べるのが最初から間違いなのかもしれませんが。





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日経メディカル:英国の医療改革に学ぶ
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posted from 医師が国政を目指す。 2009.01.11 06:05
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