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2009.01.07 18:31 |  医療制度 / 行政  |  その他(医療関連)  |  社会・歴史  |  おかだ  | 推薦数 : 3

 厨房への口出し

 忙しく仕事をしている厨房へ部外者が顔を出して「包丁の持ち方は手首を固定して……」とか「味付けはもうちょっときりりと」などと口を出したら、現場では歓迎されるでしょうか?
 その部外者が腕の良いプロで、その厨房の改革をするために呼ばれたのだったら、歓迎されるかもしれません(されないかもしれません)。だけど、それがずぶの素人だったら?
 その人が経営者の跡継ぎかなにかで、現場が面と向かって逆らえない立場なのだったら、黙ってご高説を承っているシェフの腹の中にはこんなセリフが渦巻くでしょう。「帳簿だけ見ていて市場の人間関係も包丁の研ぎ方も皿がどこにしまってあるかも知らないくせに。魚一匹おろしたこともないくせに。お客の体調やその日の気温湿度を考えて味付けを微調整していることも知らないくせに。机上の空論と虎の威を借りてえらそうなことばかり言うのだったら、お前が料理を実際に作ってお客さんを喜ばせてみせろ」と。

 医療の世界でも似たことがあるような気がします。現場の人間の腹の中でこんなセリフが渦巻いていたりして。「えらそうに大所高所から医療のやり方をこうしろああしろと言うんだったら、実際にお前が働いてみせろ。医療は“治してなんぼ”だ」と。

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  なんとも痛ましい事故のニュースです。
まずは朝日新聞。
准看護師が点滴ミス、87歳男性死亡 大阪・茨木の病院

 タイトルも記事の内容も、「准看護師」を妙に強調していますが、何か含むものでも?(たとえば、「正看護師だったらこんな事故は起きなかった」とか)

讀賣『点滴ミスで静脈に注入食、87歳男性死亡…大阪・茨木
発表によると、准看護師は2日午後4時頃、注入食の袋(250ミリ・リットル)から出ているチューブを、点滴チューブの途中に付けてあった薬剤投与のための接続器具に誤って挿入したという。

 なるほど、三方活栓(*)につないだらしいことがわかるのはこの新聞の記事だけです。

毎日「医療事故:点滴誤投与で死亡 准看護師、業過致死容疑--大阪・茨木の病院

 特段の感想は持てない記事内容でした。しかしこの見出し、まるで点滴注射そのものを間違えたみたい(点滴の内容を間違えたとか、他人の点滴をしてしまったとか)に読めません?

産経『栄養剤を誤投与、男性患者死亡 大阪
男性は、平成17年から入院。脳出血の後遺症で意識のない状態が続いていた。当時この病棟には46人が入院しており、平日昼間は看護師と准看護師5、6人を配置しているが、正月で2人しかいなかった。

 職員の勤務態勢について触れているのはこの記事だけです。なるほど、文字通り目が回るくらい忙しかったんでしょうね。こういった状態の人が入院しているのはおそらく老人の療養病棟でしょうが、点滴と注入食とおむつ交換とトイレへの誘導と痰の吸引と徘徊への対応とが大変だったのかな。

※三方活栓:点滴チューブの途中につけるプラスチックの部品で、ラインを枝分かれさせることができます。ネットで「三方活栓」の画像検索をしたら、いくらでも写真が出てくるのでそちらをご覧下さい。


 朝日をベースにして読売と産経を組み合わせたらなんとか事故の全貌が見えたような気がします。

 私はそもそも三方活栓を使いたくありません。こういった事故と院内感染のもとですから。さらに、病院側は再発予防策として「色を変える」なんて言っていますが、看護師が三方活栓に注入食をつなごうとした時点でもう色なんか無視されることは目に見えています(胃に入っている管にはふつう三方活栓はつけません)。点滴は点滴のラインとだけ、注入食は注入食のラインとだけつながることができるが、点滴と注入食とは物理的につながらないようにコネクターのサイズや形を完全に変えておかないと、また同種の事故が起きるであろう、と私は予言しておきましょう。


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