「医者の不養生(1)」にいただいたPaul Carpenterさんのコメント「地域の各病院の休みを一日ずつずらしたらどうですかね。」に触発されて、一定の地域の医療を「年中無休」にできる手がないかと考えてみました。私は抽象は苦手なので、具体的に、小さな市で似たような規模の病院が4つある場合を想定してみました。考えついたのはこんなシンプルな休日ローテーションです。各病院が今行っている「土日は休日」を少しずつずらしてカレンダーでは休日でもどこかの病院が「平日体制」で営業していることを目指してみました。(カレンダーは日曜から始まるとします)
週休のスケジュール
第一週 第二週 第三週 第四週
甲病院 日月 月火 日月 火水
乙病院 日火 水木 火水 日月
丙病院 水木 日土 木金 水土
丁病院 火土 日金 木土 木金
とりあえず適当に並べただけ実際の運用に耐えるかどうかは不安ですが、ともかく理論上はなんとか動かすことはできそうです。
(なお、スタッフをもう少し(5〜10%)増やすことができれば、「従業員は週休二日だけれど病院の休みは週に一日」も可能です。そちらの方が“現実的”かな)
【利点】
○このスケジュールだと土曜日や日曜日でも必ず最低二つの病院は平日体制で営業しています。したがって患者は、「日曜日だから今日はどこも病院が閉まっている」と不安になる必要がなくなりますし、自分の仕事の休みの都合などによって受診する日を選択しやすくなります。
○勤務する側は「休みは本当に休み」になります。(後述しますが、救急外来もお休みです)
【欠点】
×外来のスケジュールがめちゃくちゃになります。薬を出す場合も「えっと今日から2週間後は、あ、外来が休みです」なんて場合もあるでしょう。
×平日でも「今日はどこの病院が開いていてどこが閉まっているのか」を患者が把握する必要があります。でないとせっかく病院まで行ったのに閉まっていた、ということが頻発します。
×スタッフの数や専門科などによって「休日日数が同じ」だとスタッフの勤務のきつさに病院ごとの不平等が生じる可能性があります。
欠点があるから検討にはあたいしない? 欠点があるからといってすべてを最初から捨てるのは人生をショートカットしすぎです。もしも大きな利点があるのなら、欠点をなくす(減らす)ように工夫する、あるいはある程度の欠点なら受け入れる、という手もあるのですから。このアイデアの利点は残して欠点を減らすためになにか良い手があるでしょうか。私が考えたのは「病院での外来中廃止」です。完全予約の専門外来や紹介外来・検査外来あるいは外来手術と救急外来のみは残して、一般外来は一切やめとするのです。なお、残された上記の外来もすべて「休日」にはお休みです。
ちょっと過激な案ですが、たとえば救急外来スタッフは「病院」ではなくて「市」に所属として外来をやっている日に“派遣”されてそこで仕事をする(入院させるまでは面倒見て、あとは病院のスタッフにまかせる)という手もあります。これだといくつの病院で救急外来を開けるかは、病棟の空きと救急スタッフの人数次第となります。
では、病院の数が少なくて(あるいは地域に一つしかなくて)こういった病院間のローテーションが最初からできない場合は、どんな手で「年中無休」を実現できるでしょう。政府が言いそうなのは「労働時間の延長」ですが、私は当然それは容れません。私は「人員の増強」を提案します。「年中無休病院は職員の定数を現在の1.4倍にする」と定めたら、それで余裕を持って「年中無休病院」が可能となります。ただしその場合でもやはり一般外来は中止した方が診療はスムーズに行くと思います。外来は開業医のクリニックでやってもらう、でなにか致命的に大きな問題があります?
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むかしむかしあるところで医療訴訟専門の弁護士と裁判官が集まって年忘れゴルフコンペが大々的に開催されました。世間とは無関係にその方面は景気がよいのか和気藹々とコンペは進みましたが、競技終了後の優勝発表のところでトラブルが。「現実のスコアはともかく、本当は自分が優勝だった」と主張する人が殺到したのです。発表者の所に押しかけた人たちの主張は以下のようなものでした。
「もし13番の池に入れなかったら、スコアが逆転して私が優勝だ」
「いえいえ、もし14番でOBが出なかったら、私が優勝です。あんなところにOB杭があるのがおかしいのです」
「何をおっしゃる、おれのハンディが45なら、おれが優勝だったのだ」
「5番ホールが長すぎて、自分の腕では絶対2オンは不可能だ。そこで無理をしたからあとががたがたになってしまったのだから、今日の自分の成績が悪いのは5番がロングでなかったせいだ。だから今日のスコアで優勝判定をするのはおかしい」
「もしパットがトータル15だったら、明らかに自分が優勝だ」
「わしより上手い連中が皆怪我や病気になっていれば、わしが優勝じゃった」
……どうも皆さん、こんなときまで普段の職業上の主張のくせが忘れられないようです。
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