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 かつて勝手に戦争を引き起こした日本帝国軍人は、そのことに対して特に罰を受けませんでした。帝国政府はその行為を追認し続け、結局軍隊の私物化が行われました。それに対する反省から現在は「シビリアン・コントロール」(文民統制(政治による軍事の統制))が強く言われています。(言われているのは事実ですが、それがちゃんと機能しているかどうか……はそれでまた別の問題ですけれど)
 今、厚生労働省の官僚たちが、勝手に日本の医療を崩壊させようとしていますが、これに対しても「現場の大和魂が足りない」とか「竹槍でB29を落とせ」とかせいぜい「一億総懺悔」で、肝腎の官僚については放置追認でなんら罰などは与えられそうもありません。さて、それでいいのでしょうか?
 もっとも私は、医療事故に対する態度と同じく、こういった場合罰よりはコントロールの方を重要視しますので、厚生労働省にもきちんとしたシビリアン・コントロールが行われるべきではないかと考えることにします。それも「文民統制」という意味ではなくて、あえて「シビリアン・コントロール」の直訳の「市民による統制」を。
 裁判への市民参加ができるのなら、行政にも市民参加ができて良いでしょう? ……「素人に何ができるか!」という意見もあるでしょうが、それを言うのが“上手く仕事ができるプロ”だったらOKですが、“上手く仕事ができなかったプロ”“プロでさえない人”だったらその意見の説得力はゼロです。そうそう、その場合「素人に何ができると思っているんだ!」は裁判員制度広報推進協議会(法務省、最高裁判所、日本弁護士連合会)に向かって大声で言ってあげましょう。


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 政府も大変だな、と思うのはこんな不況のときです。対策を講じようにもあちらを立てればこちらが立たず、一番潰したい事業には一番強力な応援団(国全体が困っている時でも「自分たちだけ“離れ”で“すき焼き”を食っていたい人たち」)がついていて、結局使えるお金は足りません。
 予算案には苦心の跡は見えます。ただ、首相の「覚悟」は見えません。
 何の覚悟かというと「この不況から脱するために何年かかるという見通しを持っているか」を公表する覚悟です。もし1年程度なら、単年度予算でがーっと特別対策に金を突っこんでもがけばよいでしょう。しかし、この不況が数年続くのなら話は違ってきます。下手にもがくとかえって状況は悪くなることもあるでしょう。その場合には「○年計画」(あるいは病気のステージ分類のように経済の「ステージ」分類)を示し、まず今年はこれだけやって様子を見、それから次にはこんな手を打つ予定、という中期計画が必要になります。もしも不況脱出に(「失われた10年」のように)10年以上かかる見込みなら、こんどは中長期計画です。厳密に単年度では計画は示せなくなるでしょうが、「長くかかる」ことを国民に示して国民に覚悟を決めさせると同時に「これだけ我慢したら必ず景気は回復する」という希望を与え、さらにしばらくは税収が落ちるであろうことに合わせて予算執行の優先順位を定めなければなりません(「離れのすき焼き」も我慢させる覚悟が必要)。

 つまりもしこの不況が長引く可能性が高いのなら、即効性のある“注射”を連続して打ち込むという急性疾患に対する「治療医学的発想」よりも、現状を認識すると同時にとりあえず長期計画を立て「今ある能力を生かして次の段階を目指し、体の状態と環境との調整をはかっていきその変化に合わせてまた計画を作り直す」という「リハビリテーション医学的発想」が必要なのではないかと私には思えるのです。


※首相が言っている「3年後には景気が回復するからそこで消費税を増税する」というのは、あくまで「消費税増税」しか眼中になくて「景気」からは目を逸らしている態度に見えます。だって「3年」でどこの国のなにがどうなるのかとか日本経済の何を指標に景気が回復したと判断するかとかが、具体的には示されていませんもの。(つまり“後付け”で言いたい放題が可能です)

※「景気が悪い」「何とかしなくちゃ」「3年経ったらきっと良くなっているだろう」は私のような素人でも見えるし言えます。「景気の専門家」はそこから10歩も20歩も踏み込んだところで、景気の分析やこうなった原因とそれに対する対策、今後の大まかな見通しとありそうなシナリオの分岐、過去の失敗例と成功例、などについて考えて欲しいしそれをこちらにわかりやすいことばで教えて欲しい。それらがなくて単に“カンフル剤”をいけいけどんどん、だけだったら「なにかを熱心にやっているふり」でしかないのですが……ところで日本の政治家および行政で景気の専門家って誰です?
 で、その人は「失われた10年」の間、何をやって(言って)ました?


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