昨日の各紙に載っているニュースです。みごとにどこも横並びの記事です(その中で産経がコールセンターをきちんと取材して、コストが1億1000万円、なんてデータなどを乗せているのは“お手柄”です)が、それら金太郎飴の中から適当に読売の記事。
「「裁判員」来た、候補者通知に戸惑いや意欲」
来年度の裁判員候補の通知が始まったそうで、早くもでかい封筒が届けられた人は、わけがわからなかったりわからないけれど意欲を燃やしていたりとにかく逃げたかったり、人によって様々な反応を示しているそうです。
私の所にはまだ通知が届いていませんが、実はやってみたいとは思っています。裁判所どころか裁判そのものの内側に入れるなんてめったにないチャンスですし、このブログのネタにもできる。もちろん裁判の中身については書けませんが、守秘義務がカバーしていない部分(たとえば、裁判所の掃除が行き届いていたかどうか、とか医療的な観察)については書いてかまわないはずですから、気分的には手ぐすね引いて待っている、といったところです。(特に、インフォームド・コンセントを是とする立場からは、法律用語も徹底的にわかるまで説明してもらいたいものですね。そこも手ぐすね引いて……)
問題は、職場を不在にする予定がきちんと立つのかどうか、です。外来や病棟でのとりあえずの対応は短期間なら誰かに代理を頼むことも可能ですが、予定が明確でなければ頼みようがありません。さらに私でなければできない仕事がいくらでもあります。それも私“だけ”ではなくて、チームで取り組むべきことが。となると、チームのメンバー全員の予定も私が抜けることで影響を受けるので、あらかじめ何日から何日までときちんと予定ができないと、病院のある部分の業務が止まります。それは困ります。大いに困る。私だけではなくて、たくさんの人が。だって一部が止まれば連鎖反応が起きるのですから。(これが、それでなくても医師が不足して困っている領域の人だったらどうするんでしょう。救急室とか手術室とか診療所を閉鎖して裁判に参加?)
国民の義務だからもちろんそれは果たしますが、その結果、大げさに言うなら、医療崩壊に手を貸すのは願い下げにしたいなあ。
逆から見たら、たとえばすでに面談や検査や手術の予定を次々組んでしまったところに突然「明後日から裁判だから出てこい」なんて言われても困ります。その場合には“先着順”にするしかないでしょう。プロなんだから顧客に迷惑はかけられません。ついでですが現時点で私の予定、3週間以上先までもう予約が容赦なく入ってます。
我が身でなくても身近でおきる可能性もありますね。あなたの主治医が「明日からちょっと裁判に行ってくる。いつ帰れるかわからないけれど、それまでは元気でいてね」と言ったら、あなたは快く送り出せますか? あなたの子どもの学級担任だったらどうでしょう。あなたの仕事場の同僚だったら? バイト君だったら?
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