介護保険に関して「来年度から報酬を増やすから頑張れ。人を増やせ、給料も増やせ」という厚労省のありがた〜いお触れに対して、民間業者の動きがとっても鈍いそうです。
さて、「収入が増える」と聞けば喜ぶのが“ふつう”です。今回なぜ民間業者は“喜”ばないのでしょう? 私と同じようにひねくれ者ばっかり? そんなことはありません。世間には素直な善人があふれているはずです(だからこそ詐欺事件が横行します)。
日本には「二階に上げてハシゴを外す(あるいは「ハシゴを外された」)という言い回しがあります。実は厚労省は、その前の厚生省の時代から、“その手”が大好きなのです。診療報酬を上げることで“経済誘導”をしておいて、それにつられて医療機関が集まった(施設を改装したり設備を揃えたり人を集めたりした)ところでどんと診療報酬を下げる、を何回やったことか。それどころか、現在の話題のフィールドとなっている介護保険では、介護保険適用の療養病床を(削減どころか)ばっさり廃止としたのは記憶に新しいところです。「設備投資」とか「減価償却」ということばを身をもって味わったことがない人が政府にはいるようです。
いくら“善人”でも、少しでも記憶力や判断力がある人間が経営者だったら「来年度から報酬アップ? ふーん。で、何年後にダウン?」と思っても不思議ではないでしょう。“恒久的”定率減税でさえあっさり廃止しちゃう政府が、こんどの政策(予定)には「恒久的」もつけていないのですから。選挙前に一時だけぶち上げてちょっとやってさっさとやめる気満々と見られてもしかたありません(ついでですが、ここの「一時」は「いちじ」よりも「いっとき」です)。
つまり、今回の介護報酬の件は、単なる「金の問題(経済)」だけではなくて「政治の問題」なのです。もうちょっと踏み込んで言うなら、「この国の政治が信用できるかどうかの問題」。で、ここで必要なのは「私を信用してください」と懇願したり「おれが信用できないのか」とすごむことではなくて、「国としてのグランドプラン」を(美辞麗句だけ並べ立てるのではなくて)理念とともに具体的な政策としてそのデータや金銭的な裏付けや人の手当などを明確にしてきちんと明示することです。それなしで行き当たりばったりにソロバンだけ振り回してうろうろするから、信用が落ちるのですよ。(あ、振り回しているのは今は電卓ですか。それは失礼)
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