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 世間では最近あまり聞かれなくなったことばですが、ある種の裁判官とある種の弁護士とある種のマスコミはこのことばの存在自体を認めていません。どんな人でもとにかく救急室に運び込んだら助かるべきで、万が一そこで助からない場合はそれは医者の責任だ、と主張します。
 奇跡を期待してとにかく人間が努力しろ、と言うのでしょう。たしかに天命を待つ前に人事を尽くすことは必要です。手抜きをするのは医者としてあるまじき態度。でも、すでに三途の川を渡ってしまった人に救命処置をするのは「医療」でしょうか? そしてその救命処置を事後に詳細に点検して、手順の一部にでも瑕疵があればあるいは数秒の遅れでもあれば(ひどい場合にはそういったものがなくても)、鬼の首を取ったように訴えます。人の死は全て医師の“手抜き”がその原因であるかのように。

 病気や怪我の治療は、人の手でできます(できないこともあります)。しかし、「死」を治療することは人間にはできません。


 そして、奇跡が起きなかったことへの怒りをそこに居合わせた人間に対してぶちまけるのは、二重に間違っています。奇跡は人間が起こすものではありませんから。(奇跡を人に求めるのはお門違いです。で、願うのではなくて神に奇跡を要求するのは僭越な行為、と私は思っています。だから「二重」)

 ただ……「奇跡が待望される社会」は、社会全体に不幸が満ちあふれていることを示しているのかもしれません。だとすると、私がするべきことは「奇跡を求めるな」と言うことではなくて……


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posted from 3番目の落書き帳 2008.11.27 01:16

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ある意味この社会の閉塞状況と将来のみえない暗黒感、を反映しているのでしょうか?

医者のせい、政治家のせい、官僚のせい、等々。(あとになるほど実際に責任のある確率は高くなりますが...)
written by Paul Carpenter / 2008.11.26 08:36
医療は社会の一部ですから、社会の問題点は大体そのまま医療にも反映されます。ですから、閉塞感と暗黒感がもろに医療にもぶつけられるのも無理はないでしょう。さて、そこで医者にできるのは……なかなかすぐには思いつけませんが、とりあえず考えることは放棄したくありませんので、こうやっていろいろ書きながら考え続けるつもりです。
written by おかだ / 2008.11.26 18:45

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