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2008.11.19 06:58 |  診療  |  仕事 / 職場  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 2

 産婦人科勤務医の勤務時間

 9月末に発表された「産婦人科勤務医・在院時間調査 第1回中間集計結果 報告と解説」(日本産科婦人科学会)を今頃になって見つけたので読んでみました。

 在院時間の月平均は295時間、オンコール(自宅待機)は月間平均139時間です。当直回数は月に4.1回、休日日直は1.3回。つまり、病院での“残業”は月に117時間(在院時間から標準的な定時の勤務時間を引いたもの)、週に1回当直をし3週に1回は休日日直、約3日に1回は自宅待機、を繰り返し続けるのが産婦人科医の平均像です(20代から40代後半まで数字にほとんど差がありません)。ただし、緊急呼び出しの回数は今回の集計には含まれていません。あくまで病院が“管理”できる数字としての勤務実態です。

 で、こういった調査があると「俺だって、会社に申告はしないけれど、月に100時間は残業しているぞ」「俺なんか130時間もやった月がある」などと嬉しそうに“自慢”して、「だから医者が“その程度”でがたがた言うな」と言わんばかりの人があちこちで見つかります。でもねえ、そういった人に私は二つ質問をしたいのです。

1)そんな生活をしているへろへろの医者にあなたは自分や家族の体を託したいと思いますか?
2)あなたはそんな多忙な生活で幸せで満足ですか?(一生それを続けたいですか?)


 そうそう、「オンコールなんて、自宅で待機しているだけだろ」なんて気楽に言う人もいます。そんな人にオンコールの緊張感をどうやって味わってもらえるかしら。そうですねえ、例えば、の思考実験ですが……その人が好きな動物(犬とか猫とか)を集めておいて、その人に突然電話をして難しいクイズや計算をしてもらって、電話に出なかったり答えを間違えたらその動物が一匹ずつ殺される、というのはどうでしょう。もちろんオンコールですから、電話がかかるのは真夜中かもしれませんし、早朝かもしれません。かからないかもしれませんし、一晩に何回もかかるかもしれません。
 これを想像してもらったら、一般の人でも少しはオンコールの緊張感がわかってもらえるかな?
 ……あ、これを読んで「おれは動物愛護団体の者だ」と殴り込みには来ないでね。動物殺しは実際にはやりませんから。


※参考までに。厚労省が平成13年に発表した「過労死認定新基準」には、その別添に「労働時間」に関してこんな記述があります。

 [2] 発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月
   間にわたって、1か月当たりおおむね80時間
を超える時間外労働が認め
   られる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること
   を踏まえて判断すること。


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ネットカフェ難民やワーキング・プアの人たちにはそれがどうした?とたしかに言われる思われるかもしれません。

でも他の職業で、まじめに一生懸命やっても結果責任を徹底的に問われる、給料年収をはるかに超える高額な賠償金を請求されたり逮捕されたり訴えられたりすることはまずないでしょう。

それ以上に、そういうぎりぎりの状況に常に置かれている、極度のプレッシャーと睡眠不足と休養不足、人生生活に対する大いなる不満を常に持っている人間に自分の命を安心して預けられるか、ということですよね。
written by Paul Carpenter / 2008.11.19 08:49

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