財布を調べると、最近は全然使わなかったので先月分のお小遣いが3万円丸々残っていました。これだけあれば旅行代理店で東京への出張パック(1泊分)が買えます。さらに、この前祝日出勤した代休が平日に使えます。
……突然決心して家族に朝食の場で発作的に宣言しました。「おら、東京さ、行ってくるだ」(何弁だ?)。
私が初めて上京したころ、特急で12時間もかけて移動した覚えがあります。親父が若い頃上京したときは、まるで『三四郎』(夏目漱石)の冒頭シーンのようにSLで途中に泊まりを入れて行ったそうですから、それよりはずいぶん楽になっていたわけですが。それが今は家を出て都内のホテルに入るまで、一番早いと3時間半、遅くてもせいぜい5時間ですから、本当に隔世の感です。新幹線よりも飛行機のパックの方が値段が安い、というのも昔の人間にはオドロキです。と言っても今回は空ではなくて、地べたをごろごろ転がって行くことにしました。乗り換えでちょこまか時間を区切られずに一度座ったらそのまま本を読み続けたかったものですから。
昨日はまず六本木でピカソを見ました。ピカソは3番目に好きな画家なので堪能しました(ちなみに、2番目に好きなのは、ダリです)。ただ、私が好きな「青の時代」の作品が一つだけだったのは残念。
空気と水の問題と人が多すぎる点から東京に住みたいとはそれほど思いませんが、こういった機会が次々ある、という点は本当にうらやましく思います。息子にも久しぶりに会いたくて連絡を入れましたが、バイトで忙しいらしく、父親の顔をどうしても見たいという熱意に欠けています。しかたありません。そもそも、仕送りでは学費と住居費と食費(の一部)までしかカバーできず、それ以上はバイトでまかなう生活にしたのは、私の責任ですから。
息子がダメとなっても、会いたい人は都内に何人もいるのですが、考えてみたらこれは滅多にない機会ですから「大都会での孤独」を楽しむことにしました。宿が新宿なのでちょっとうろうろしましたが、歌舞伎町をかすっただけで「ここは私の世界ではない」とわかり、中村屋でインドカリーを食べてさっさと引き上げました。
さて、ピカソとカレーで勢いをつけて、今日はフェルメール(私が一番好きな画家)です。ポケットには『フェルメール全点踏破の旅』(朽木ゆり子、集英社新書)を入れました。きっと凄い人でしょう。展示作品リストの中で一番心引かれる「小路」がゆっくり鑑賞できればいいのですが。
この二日間のインプットで私の「良い絵を見たい衝動」は満足して、また数年は静かに寝ていてくれることでしょう。そうでないとまた突発的に「おら、東京さ、行くだ」になっちゃいます。
そういえば、「東京に上る」は「上京」ですが、すると東京に滞在中は「中京」、東京から下るは「下京」で良いのでしょうか。まるで京都の地名のようですが。
ということで、現在の私は中京です。今から上野に向かい、夕方には下京です。(上中下がそろいました)
では、行ってきま〜す。
固定リンク
|
コメント (2)
|
トラックバック (0)