かつて大繁盛の病院に勤務していた頃、次から次に入院があり病棟は慢性的な定員オーバー状態でした。あまり大きな声では言えませんが、とんでもない詰め込み状態で、これはなんとかしないといけない、ということで退院促進もしましたが焼け石に水。結局増床となりましたが、認可の問題で結構時間がかかりましたっけ。
なぜ「大きな声では言えない」「なんとかしないといけない」かというと、たとえば地域医療計画(の病床規制)に反しているからです。監査では「定員オーバーをなんとかしないと、保険の指定を取り消すぞ」と脅された覚えが私にはあります。(「地域医療計画って、何だ?」の方はネット検索を「地域医療計画 ○○○(お好みの都道府県名)」でやってみてください。たとえば各地域ごとのベッド数などが法律に基づいて行政によってきっちり決められていることがわかると思います)
一部マスコミが大好きな言葉「たらい回し」のとき、病院が言う「満床だから救急が受けられなかった」に対して「そんな言い訳をするな。たとえ満床でも無理してでも受けるべきだ」という意見もありますが、それをやったらその病院がこんどは別の方面から“攻撃”を受ける可能性があります。医療法や医療法施行令に違反している、と行政がおかんむりになったり(「その“無理”は違法行為である」ですから)、あるいは「あの病院は定員オーバーで患者数に比較して医療従事者の数が足りずにサービスは低下、それでも過剰な詰め込みで儲けようとしている」とどこぞが大喜びで「特ダネ」を打ち上げるとか。
「法律通りに現実は動かないから、定員オーバーは一時的にならOKOK。超法規的に認めましょう」と行政か司法からお墨付きがあるのなら、安心して「詰め込み」もできるんでしょうけれどねえ。……もしかしたら、私が知らないだけで、本当はあるのかな?
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昭和の末頃、まだ少子高齢化もバブル崩壊も先の時代、国民保険の赤字が小さな声で問題とされていました。しかし、組合健保は黒字でした。それはそうです。大企業で「終身雇用制度」(これももう死語でしょうね)によって元気いっぱい働く人たちはどんどん稼いで保険料も滞納せず、そして定年になったら国保に移っていきました。したがって健保は収入はあるけれど支出は少なく、国保は退職後に病気がちになる人の受け皿としての機能も持たされていたので赤字になりやすい、という構造を持っていたのです。誰の目にもそれは明らかだったのに、誰もそれに対して対策を立てようとしませんでした。
黒字の健保はその使い道に困って、あちこちに「山の家」や「海の家」を建てたり、毎年組合員に還元をしていました。私も当時はある健保組合に属していましたが、毎年救急箱やらスポーツ用品の配布を受けた覚えがあります。
なぜあの時期にちゃんと将来(つまり、今)の準備をしておかなかったのかなあ。
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