アメリカ大統領選挙も終盤となりました。投票日は今年はたしか11月4日でしたね。実は、F1グランプリの最終戦(そして今年のワールドチャンピオンが決定されるの)はその直前、11月2日です。
昨年のF1、シーズン序盤にはマクラーレンの新人ルイス・ハミルトンが「初の黒人ドライバー」と呼ばれていましたが、周回を重ねるにつれて実力が明らかになるとともにその“肩書き”は取れてしまい、そのかわり「デビューしたばかりなのにベテランたちを押しのけて史上初のルーキーチャンピオンとなるか」の方が話題の中心となっていきました(で、新人としては驚異の成績を積み重ねていったのに、最後の最後に大逆転で、ハミルトンは惜しくもワールド・チャンピオンを逃してしまいました)。今年も彼は大活躍をしていますから、黒人に対する特殊な意識を持っている人以外には、今現在ハミルトンのことをわざわざ「黒人ドライバー」と呼ぶ人はいないはずです。彼は肌の色ではなくて「またポールポジション(予選トップ)を取った」「今年こそワールドチャンピオンだろう」という文脈で扱われるべきドライバーなのです。
ところがアメリカ大統領選挙では、今になっても「黒人が初の大統領になるか」が話題の中心に座っています。
アメリカの選挙でびっくりするのは、ネガティブ・キャンペーンです。私の感覚では相手の悪口を言いたい放題で、すごく下品に感じます。自分の主張を通す早道は、「正しさ」で勝つよりも対立する相手の“信用度”を下げることの方が手っ取り早い、という古くからの戦略はわかりますが、両方がそれをやっちゃうと結局自分にもダメージがあるわけです。さらに「あいつは自分の自慢と他人の悪口しか言わない」というネガティブなイメージが染みついてしまいます。ネガティブ・キャンペーンをやるのだったら、それと同時に自分自身に対するポジティブなキャンペーンもやっておかないと、かえって逆効果になる(あるいは勝っても自分のダメージもでかい)のではないか、と私には思えるのです。
アメリカ人にはまた違った感覚があるのかもしれませんが。(ただ、「黒人差別」(や女性蔑視)をネガティブ・キャンペーンに用いてはならない、という暗黙の決まりというかしばりがあるのが、日本人としては面白く感じます。タテマエとホンネって、日本文化だけじゃないのね、と)
そう言えば、日本のマスコミや政府は今まで熱心に「日本の医師に対するネガティブ・キャンペーン」をやって来ました(現在完了進行形)。それは一定の成果を上げて、「医者は悪者」を頭から信じ込んでいる人がたくさん存在してます。だけどその“反動”かな、マスコミや政府の医療に対する姿勢に関してネガティブなイメージも強くなっているようです。結局あの「医者たたきのネガティブ・キャンペーン」は、戦略的には何の目的で行われてきて、宣伝対象は誰で、結果としてどんな利益を誰にもたらしたのでしょうねえ。
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