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読売新聞の記事です。 

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080930-OYT1T00346.htm
>>兵庫県の1歳9か月の男児が、こんにゃく入りゼリーをのどに詰まらせて死亡していたことを30日、国民生活センターが発表した。
 同センターによると、こんにゃく入りゼリーによる死亡事故は、判明しているだけで1995年以降計17件目。同センターでは「幼児や高齢者には食べさせないでほしい」と注意を呼びかけている。


 なんだかため息が出ます。これだけ定期的に死者が出ているのに、根本的な対策が一切取られていないことと、これだけ死者が出ていることが知られているのにそれでも幼児に食べさせる人がいることに対して。つまり「気をつけて」は対策ではないのです。と言って、会社を責めることや「製造を禁止しろ」も根本的な対策ではありません。私個人としてはこんにゃくゼリーはふだん食べないから痛くも痒くもありませんが、ピンポイントで製造や販売を禁止すれば「こんにゃくゼリーによる窒息死」はなくなるでしょうが、単なる禁止では何の教訓も得られず、将来のそれと同種の食品による新たな死者を予防することはできないことが気になります。

 

 なぜ窒息死がでるのか、それをどうやったら予防できるのか、ちょっと考えてみましょう。

1)形:たとえばトローチの穴は窒息防止用です。あの大きさでも窒息する、を覚えておきましょう。では、それと同様にこんにゃくゼリーにも穴を……は無意味ですね。圧迫されたらその穴はすぐ潰れてしまいますし、気管の中でこんにゃくゼリーが横に向いたら穴はふさがってしまいますから。
2)大きさ:今の大きさがもしかしたら気管に詰まるのにちょうどのものかもしれません。だったらそれより小さくするか大きくするのが解決となります。小さければたとえ気管に入ってもそのまま奥に行って、そこで詰まったとしても気管支レベル以下(片肺よりももっと下)です。人間は片肺なら生きられますから、メインの気管さえ詰まらなければとりあえずは死にません(もちろん長く片肺が詰まっていたらそれは拙いですが)。逆に大きければ、のどの奥までは入りません。指で掻き出したり掃除機の細いアタッチメントで吸引することも可能です。
3)固さ:柔らかければちょっと圧力をかけてもくずれるから、たとえ気管に詰まっても咳で何とか空気の通路ができそうです。ただしそれだとただのゼリーでこんにゃくゼリーではなくなってしまいます。ならば、たとえば一つのこんにゃくゼリーの中に層状に柔らかいゼリーをはさんで、たとえ吸い込んでしまってもそこから分離して崩れる、という仕組みを私は考えました。ただしネックは製造の手間とそれに伴うコスト上昇です。
4)食べ方:子どもたちの食べ方を見ていると、蓋のシールを剝いたらそのまま口元に持っていってちゅっと吸い込んでいます。吸い込む勢いが強ければ強いほど、こんにゃくゼリーが口をあっさり通過してのど(気管)に飛び込む確率は高まります。ならば吸い込む勢いを弱くする、あるいは、吸い込まなくても食べられる(あるいは吸い込めなくする)包装にすれば、死者が出る確率は減るはずです。現在の包装はおそらく製造法(充塡による大量生産)と清潔さとコストのかねあいの点ではベストに近いものなのでしょう。しかし、それで死者が出るのは困ります。たとえばプラスチック容器の強度をピンホールが出ない程度に弱めるとか、クッキーやキャンディーのような柔らかいプラスチックで個別包装するという手段も考えられます。不潔になってはいけませんから、キャラメルのような紙での包装は無理でしょうけれど、なにか工夫ができるはず。そうだなあ、蓋のシールを剝いたらそのまま容器にも大きくひびが入る(だから強く吸い込まなくて良い)、なんて形状にはできませんかねえ。企業はまだ努力の余地があるはずです。

 で、記事の最後に
>> こんにゃく入りゼリーの事故に対し、行政は所管の官庁が明確でないことを理由に、抜本的な対策を打ち出せずにいる。

 「所轄が明確ではない」から導き出される結論は「だから誰も何もやらない。誰かやってくれ、と願うのみ」だけになるとは限りません。「関係ありそうなところが皆集まって情報交換と対策の検討をする」という“結論”もあり得るんですけどねえ。そちらを選択しない日本の行政に関する根本的な問題は、「国民のために何かしよう」という気概と想像力と行動力を欠いていることかな。


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