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<  民間へのつけ回し | メイン |  読書感想『医学が歩んだ道』 >

 「こんなに自分が不幸なのは世の中のせいだからいっそ戦争が起きてしまえ」と思っている若者が増えている、という報道をこの前目にしました。物騒な話ですが、絶望した人がヤケになって「いっそ他人も不幸に」と思うのはある意味当然のこととも言えます。それはそう思う個人だけの問題にするのではなくて、そう思わざるを得なくなる社会の問題としても捉えるべきでしょう。


 ただ、私が気になるのは、そういった人が「戦争」を望むことです。「革命」ではなくて。
 戦争と革命、どちらも「社会の破壊」を現象として伴いますが、少なくとも革命は「その後のよりすばらしい体制の誕生」を望んでの行動です(あくまで理念であって、歴史を見れば実際にはそうならないことがけっこう多いとは思いますが)。しかし戦争は、負ければ体制は破壊的に大きく変化しますが勝てば強化されるだけです。しかもたとえばUSAのように海外でだけ戦争をする場合、負けても「戦争による社会の破壊」は国内では(急には)起きません。すると前出の若者たちが望んでいるのは攻め込まれたタイプの戦争での「敗戦」なのでしょうか。
 さらにもう一つ。「革命」は自分たちが行動することですが、「戦争」は誰かが起すものです。

 もう自分では何もする気にならず、ある種の乙女が「白馬に乗った王子様」がやって来るのを待ち望むような感じで、「黒馬に乗った戦争」がどこからともなくやってきて社会をめちゃくちゃにしてくれることを望んでいる……私はこれには大きな違和感を感じます。


 ここから私の連想は医療崩壊へ。
 医療不信に凝り固まった人(の一部)は、自分で「革命」を起して医療を良くすることよりも「戦争」によって医療が破壊されることを望むようになっているのかもしれません。そう考えると、今の医療に否定的な人たちの(さらにその一部の)「医療崩壊」に対する無関心ぶりが説明できます。なにか新しくて良いものができなくても、とにかく今の医療が壊れれば満足、ということなのでしょう。だけど……その反動で医療者の側がこんどは社会不信に凝り固まってしまったら「日本の医療も社会も壊れてしまえ」と多くの人が平然と思うようになるのではないか……それはちょっと怖いように私は思います。いや、「ちょっと」ではなくて「相当」ですね。絶望や憎悪による破壊から生まれるものは、醜い姿をしている可能性が高いでしょうから。


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実際に医師のなかにも、「もう崩壊するしかないっすよ。この国の医療は。その焼け野原から立ち直るしかないでしょう」と仰る方が少なくありません。
そんな声をきくたびにぞっとします。とにかく小さな声でもいいから叫び続けるしかないと思います。
written by Paul Carpenter / 2008.08.27 08:54

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