大きな地震の「後」になって「実は地震が起きることを予知していた(サインを認識していた)」と言い出す人がいます。「予知していたのなら、ちゃんと警告してくださいな」と私は思うのですが…… だって「予知」ってものは「前」にするものでしょ? 「後」ではなくて。
※ちなみに「きちんとした予知」の要件は、「どこ」(最低県をいくつかに割った単位での範囲、できたら震源地をピンポイントで。「西日本に」とか「東北地方のどこか」とか漠然としたのは却下)「いつ」(最低日単位、できたら何時何分。「将来いつか」は却下。「明日起きる」を毎日言い続けるのも却下)「どのくらい」(大体の大きさ、できたら震度やマグニチュードの数字を求めたいけれど)「的中率」(「明日起きる」を毎日、と関連していますが、100万言ったら1回当たった、はやはり駄目でしょう。でもこれは別に法律で決まっているわけではありませんからどこに線を引くかは多数決などで適当に決めても良いとは思います。たとえば「66%」くらいだったら外しても納得できません? それとも医療裁判で一部の人が強硬に求めるように「100%」にしましょうか?)のすべてを満たすもの、と私は考えています。手段や発想が科学的かどうかはどうでもよいです。医療が「治してナンボ」であるのと同様に、地震予知は「当ててナンボ」だと思っていますから。
医療事故でも「後」になって「実はこの不幸な結果は避けられた」と言い出す人がいます。もちろん意図的なミスだったら避けられた、というか、起きてはいけません。意図してやったのならそれは犯罪ですから。でも、犯罪ではない、システム的な欠陥が元で起きた事故だったら、それを「予知」した人はちゃんと「警告」するべきではありませんか? 事故が起きるシステムであることがわかっていて知らんぷりをしていたのならそれこそそれが犯罪行為です。具体的な「警告」(あるいは改善勧告)をして、それをシステム管理者が無視していたのなら責任は転嫁できますが。
もし本当にそういった「予知者」がいるのなら、うちの病院で仕事をして欲しいものです。システムの弱点を見るために多職種が絡む業務工程図を作ってその一つ一つについてどんな不測の事態があり得るか、を予想するという辛気くさい作業を一度でもやると、そんな細かいことをやらなくてもぱっと現場を見ただけで「ここにこんな問題があるから事故が起きるであろう」というありがた〜いご託宣ができる全能の「予知者」になる夢を見てしまいます(経験者ならわかるはず)。ほんと、「地震雲」みたいな「医療事故雲」でも事前に発生してくれたら、わかりやすくていいんですけどねえ。でも私はただの人間で特殊な雲を発見するような異能はありませんから、そんな人が本当にいるのなら頼りたい頼みたい。そうすれば私は自分本来の医業に戻れますから。
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