今朝の朝日新聞、小さな新聞記事を見て「あれ?」と思いました。「診療報酬、不適切請求の疑い 松江市立病院、1億円超か」の見出しの記事です。
これまではふつう「不正請求」と言っていませんでした?
「不正」と「不適切」、病院がやった行為は同じですが報道するニュアンスは全然違います。「不正」だったら「この悪人め、罰してやる」ですが「不適切」だと「(意図や人格ではなくて)行為がよろしくない」です。評価をするべきと問題としている対象が「人格」か「行為」か、ほら、全然違うでしょ?
歯科口腔外科のインプラント埋め込みと言うと、私は門外漢なのでなーんの判断もできませんが、たぶん混合診療に関してややこしい文言で規定が書いてあるのでしょうね。紙面だと物理的制限があって仕方ないでしょうが、電子面だったらその規定そのものを載せる(あるいはリンクを張る)ことも可能でしょう。もしそうしてくれたら、記事で紹介されている病院側の言い分「請求は故意ではなく、規定の解釈を間違っていた」が本当に正しいかどうか、読者の方でもある程度見当がつけられるのですが。(実は、一般の人にもあの保険診療規定の悪文を読んでもらいたいのです。医療者がどんなことに苦しめられ時間を取られているかの一端を公開しても良いのではないかと思うので。裁判員になる可能性がある人にとっては、頭のトレーニングにもなりますよ) で、どうとでも解釈できる文面だったら「故意ではない」はあり得ますが、きちんと明瞭に書いてある文章だったら「故意ではない? 本当か?」になるわけです。で、もしも故意にやった疑いが濃くなったら、そのとき「不適切」は「不正」あるいは「不法」になるでしょう。
患者さんは大変ですね。何年も前の話で突然「実は自費でした」と大金(一人100万円くらい?)を請求されるかもしれないのですから。「自費でも保険でもかまわないから……あ、保険? ラッキー」という人ならまだ払うかもしれませんが、「自費ならやらなかった」という人の場合……元には戻せませんよねえ。
※なお、読売・毎日・日経・産経のサイトで「診療報酬 不適切請求」で検索をかけたら、今朝の時点ではヒットした結果はゼロでした。「不適切」を「不正」に入れ替えたら、当然検索結果はどこでもぞろぞろ出てきます。ということは「これから心を入れ替えて、少しはまともな医療報道を目指します」と朝日が先頭を切って進路を変更しようとしている、ということなのかな?(小首をかしげている おかだ)
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