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< 風や空気を読む人たち  | メイン | 死語(35)医は仁術  >
2008.07.11 07:17 |  診療  |  その他(医療関連)  |  おかだ  | 推薦数 : 3

上しか見ない 

 私が医者になって「師匠」と呼びたくなったあるドクターにはいろいろ大切な事を教わりましたが、その中の一つが「下も診ろ」です。病院に長く入院している人の回診で師匠は患者さんの背中にすっと手を入れて「浮腫が来るとしたら下になっているところが最初だよ」と教えてくださいました。私は不肖の弟子で、それを完璧に行えていないのが残念ですが(冷や汗)。

 そんな“上”しか見ない私以上(以下?)の人もいました。患者さんの聴診をしていると「そんな原始的な診察は無意味。心音図を取れば一発じゃないか」と。たしかに心音を聞くためだけだったら心音図でも良いでしょうけれど、私は肺の音も聞くし頸部では頸動脈への心雑音の放散や気管の音も聞き、ついでにそのままの流れで腹の音も聞きます。心音図はそこまでカバーできませんし、なにより聴診は手軽で無料です。「科学的ではない」と見えるかもしれませんけれどね。

 だけど、専門家によっては「肺の聴打診なんかより、レントゲン一枚の方が確実」とか「肝臓の触診より、エコーやればいい」とか私に“教えて”くれる人がいました。う〜む、私は古くて頑固なので、もちろん画像検査もオーダーします(あるいは自分でやります)が、やはり聴打診や触診をやめる気はありません。背中に手を入れるのはよく忘れますけれどね(ふたたび冷や汗)。

 そうそう、どうせハイテク(?)を使うのなら、電子聴診器なんかだと便利かもしれません。私がふだん聞き逃しがちな2音の分裂や3音4音なんかを、フィルターをかけてくっきりはっきり浮かび上がらせてくれたらとってもうれしいのですが。特にこれから私はどんどん老人性難聴になっていきますから、私の耳から失われていく高音を強調して欲しいな。(これも一種の(ポータブル)心音検査機器?)



※私が「師匠」と心の中で呼んでいるドクターは二人です。どちらも、もしも医者でなくて他の分野に進んでいたとしてもそちらで尊敬を集めていただろう、という人格の方でした(お二人とも亡くなったので、過去形で言うのが残念です)。





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